米市場調査会社のAllied Market Researchはこのほど、自動運転車向けの高精度(HD)マップ市場の予測レポートを発表した。
同レポートによれば、2025年における自動運転車向けの高精度マップの市場規模は37億ドル(約5,300億円)となり、その10年後の2035年には661億ドル(約9兆5,000億円)まで拡大するという。年平均成長率(CAGR)に換算すると、33.4%という驚異的な数字となる。
■「車種別」「利用形態別」の推測結果は?
自動運転車向けの高精度マップ市場を「車種別」というセグメントでみた場合、2025年においては「乗用車」が市場の5分の4以上を占める。一方、「商用車」セグメントは2025年から2035年にかけ、36.3%という高いCAGRを示すという。
「利用形態別」では、2025年時点では「パーソナル(個人向け)」が4分の3以上を占め、「商用向け」を上回ると予測されている。
「地域別」では、2025年時点では「北米」市場が世界市場の3分の1以上を占めると推測している。しかし2025年から2035年においては、「欧州」市場の伸びが目立つようになるという。ちなみに「アジア太平洋」地域に関しては、2025年から2035年において、最大で35.9%というCAGRを記録する可能性があるという。
また、同レポートでは以下の企業が自動運転車向けの高精度マップを開発する主要企業として挙げられている。「Dynamic Map Platform Co.」は日本のダイナミックマップ基盤株式会社のことだ。
- AutoNavi
- Baidu, Inc.
- Civil maps
- DeepMap, Inc.
- Dynamic Map Platform Co.
- Esri
- HERE
- Mapbox
- Momenta
- NavInfo Co.
■高精度マップ市場はさらに拡大へ
すでに自動運転レベル4のロボットタクシーがアメリカや中国で実用化され、日本のホンダはレベル3の一般向け市販車を発売した。今後ますます自動運転という技術が身近になっていけば、自動運転向け高精度マップの市場もそれに比例するように拡大していく。
ちなみに自動運転ラボでは、自動運転に関するさまざまな市場調査を以下の記事でまとめている。興味がある人は一読してほしい。
【参考】市場調査のまとめ記事は「自動運転車の市場調査・レポート一覧(2022年最新版)」より参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)