自動運転技術の開発を手掛けるスウェーデンのEinrideは2022年6月29日までに、AET(Autonomous Electirc Transport)車両をアメリカの公道で運用する認可を、米道路交通安全局(NHTSA)から得たことを発表した。
認可を受けたのは「運転席がない自動運転EV(電気自動車)トラック」。同社の発表によれば、こうした自動運転EVトラックが米国の公道の走行許可を得るのは史上初だという。
Einrideは自社開発の自動運転トラック「Einride Pod」を活用し、2022年第3四半期にアメリカ国内の公道で試験走行を行う予定だ。
■運転席がない無人トラックが公道を走行
Einride Podの大きな特徴は、運転席がないという点だ。原則として運転はシステムが行うが、人による介入が必要な場合はオペレーターが遠隔で車両を操作するようだ。
人による介入を前提しているため、特定エリア内における完全自動運転を実現する「自動運転レベル4」とは言えないが、運転席がない自動運転トラックが公道を走行するというのは、かなりインパクトがある話だ。
■2016年設立のEinride社とは?
2016年に設立したEinrideは、「Making Earth a better place(地球をより良い場所にする)」をテーマに、自動運転トラックや充電・接続ネットワーク、オペレーティングシステム「Saga」などを開発・提供するスウェーデンの企業だ。
スウェーデンの通信機器メーカーであるエリクソンや、電機メーカーの独シーメンスなどと技術パートナー契約を締結している。そのほか、スウェーデンの食品大手Oatleyと共同で輸送技術を開発したり、ブリヂストンの米グループ会社と提携し、自動運転大型トラック向けのソリューションを共同開発することを発表したりしている。
▼Einride公式サイト
https://www.einride.tech/
■ゼロから無人ポッドを開発
自動運転トラックを開発する企業が増えている。アメリカに拠点があるベンチャー企業で言うなら、Google系WaymoやAurora Innovation、Kodiak Robotics、Plus(中国系)、TuSimple(中国系)、Embark Trucksなどだ。
多くの企業が基本的には従来型のトラックを自動運転化させるアプローチをとっているが、Einrideはゼロから無人ポッドの開発を進めている。今後注目度が高まっていきそうな企業だ。
【参考】関連記事としては「自動運転トラックの開発企業・メーカー一覧」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)