MITが「自動運転チャリ」発明!無人で来て、帰っていく

シェアサイクルのサービスに革命!?



MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究者が「自動運転自転車」を開発したようだ。MITによると、シェアサイクルにおいて自動運転自転車を活用すると、従来のシェアサイクルサービスと比べると最大で8倍の効率アップが期待できるという。論文で発表している。

MITのYouTube動画を観ると、自動運転中は3輪仕様(前輪1輪/後輪2輪)になっており、スマートフォンアプリで呼び出すと指定された場所まで自律走行してやってくる。


人が乗るときは後輪がくっつき、2輪仕様の通常の自転車として乗れるように形を変える。人が乗り終えると、安定性を高めるため再度後輪が2つに分かれ、3輪自転車となって自律走行してポートや次のユーザーのもとへ向かう。

■シェアサイクルの効率が大幅アップ

自動運転自転車はシェアサイクルの大幅な効率アップを実現するという。

シェアサイクルの利用効率を調べたMITの研究によると、専用の駐輪スペースを設けている一般的なシェアサイクルの3.5倍、借りた場所への返却が不要な乗り捨てのシェアサイクルの約8倍の効率アップ(台数ベース)が期待できるそうだ。


またMITは、この10年でシェアサイクルが世界中で急速に普及したものの、超小型モビリティの共有にはまだいくつかの課題があることを指摘している。その課題の1つが、事業者が1台コストが安価な自転車を都市に溢れさせ、都市問題につながることだ。

特に、市場競争力が高い「ドックレスシステム」(※返却が不要な乗り捨て型のシェアサイクルを事業者が回収・再配置するシステムのこと)でシェアサイクルを展開する事業者は、数多くの自転車を都市で展開しており、都市環境に悪影響を与えやすいという。

自動運転自転車は自ら所定のポートや次のユーザーのもとへ移動してくれるため、こうした課題の解決にも役立つ。

■商用ベースで使われる日はやってくるのか

日本でも都市圏ではシェアサイクルを見掛けることが増えてきた。乗り捨て型の方が利便性が高いが、前述の通り、課題がある。その課題を自動運転自転車が解決してくれれば、ユーザーそして社会にとって非常に良いことだ。


MITの研究者の自動運転自転車が商用ベースで使われる日がやってくるのか、注目だ。

▼City Science team publishes two papers in Communications in Transportation Research|MIT media lab
https://www.media.mit.edu/posts/city-science-team-two-papers-communications-transportation-research/

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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