「デジタルゼネコン」たる清水建設、自動運転とどう向き合う?

建物とロボットを連携させるサービス実証開始



実証運用が行われているロボット清掃サービス(左)とロボット案内サービス(右)のイメージ=出典:清水建設プレスリリース

「デジタルゼネコン」を標榜している建設会社がある。清水建設だ。建設業のDX化を推進する中で、自動運転技術の活用に対しても積極的な姿勢を示している。2022年4月からは建物設備と自動運転ロボットなどを連携させるサービスの実証運用を開始した。

■豊洲スマートシティが舞台、実証の内容は?

実証には清水建設のほか、ドローン関連システムを手掛けるブルーイノベーションと、自動化システムを開発するオムロンソーシアルソリューションズも参加している。


実証運用の舞台は「豊洲スマートシティ」の大規模オフィスビルで、開発・実証するのは「ロボット清掃サービス」と「ロボット案内サービス」の2つ。この2つのサービスについては、それぞれ以下のように説明されている。

ロボット清掃サービスの開発では、BEPを介してDX-CoreとToritossを連携させ、Toritossが人の手を介さずにエレベーターや自動ドアと連動し、ビル内をシームレスに移動しながら自動清掃できることを実証します。

「ロボット案内サービス」の開発では、DX-CoreとMobility-Coreにより、案内ロボットとエレベーターや自動ドアを連携させ、ロボットによる階をまたいだ来客案内サービスの実証運用を進めます。

出典:清水建設プレスリリース(※クリックorタップすると拡大できます)

上記の説明の中で出てくる「BEP」(Blue Earth Platform)は、ブルーイノベーションが開発したデバイス統合プラットフォームのことだ。「DX-Core」は清水建設が開発した建物OS、「Toritoss」はオムロンの複合型サービスロボットだ。


「Mobility-Core」は、建物設備とロボットや自動運転車などを連携・統合制御する清水建設のプラットフォームだ。

【参考】「Mobility-Core」については「建物と自動運転車・ロボットが連携!清水建設の「Mobility-Core」とは?」も参照。

■清水建設の中期デジタル戦略2020に注目

清水建設は中期デジタル戦略2020「Shimz デジタルゼネコン」を策定しており、「ものづくりをデジタルで」「デジタルな空間・サービスを提供」「ものづくりを支えるデジタル」という3つのテーマを掲げている。

デジタルゼネコンとして、自動運転ロボットの建物内での活用に向けた取り組みにも力を入れている清水建設。上記の中期戦略や進捗は以下のページから確認できる。興味がある人は目を通してみてはいかがだろうか。


▼シミズのDX ものづくりの心を持ったデジタルゼネコン
https://www.shimz.co.jp/digital-strategy/

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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