MaaSの認知度、「知っている」16%——最新調査

デジタルチケットに対する要望は?



国土交通省はこのほど、有識者や交通事業者などで構成される「交通分野におけるデータ連携の高度化に向けた検討会」の第5回を開催した。


この検討会では、MaaSの認知度に関する最新調査の結果が配布され、MaaSの認知度は現時点で約16%だということが明らかになった。

■MaaSの認知度や使用頻度は若い年代ほど高い

調査は、普段からバスや鉄道といった公共交通機関を利用している人を対象に、2022年3月7〜9日にかけて実施され、1,345サンプルについて集計を行った。

認知度:「知っている」16%

「MaaSの認知度」についての質問では、「知っている」という回答は全体のうち16%ほどだった。地域による認知度の差は大きくなかったが、年代別に見ると若い年代になるほど認知度が高い傾向があった。

出典:国土交通省/みずほリサーチ&テクノロジーズ(※「知っている」の割合は、「実際に提供されている事例を含めて知っている」と「どのような意味かについて知っている」を合わせたパーセンテージ)
サービスの使⽤頻度:「使用している」8%

「MaaSで提供されるサービスの使⽤頻度」についての質問では、「使用している」という回答は8%ほどだった。「MaaSの認知度」と同様に、地域による差は大きくなかったが、年代別に見ると若い年代になるほど認知度が高い傾向があった。


デジタルチケットの使⽤頻度:「使用している」12%

「MaaSで提供しているデジタルチケットの使⽤頻度」については、「使用している」という回答は12%ほどだった。地域別に見ても、突出して大きな差はなかった。年代別ではこちらも若い年代になるほど認知度が高い傾向があり、特に10〜30代の利用の割合が高かった。

デジタルチケットに対する要望

「MaaSで提供しているデジタルチケットの要望」については、「窓口で発券等をすることなく、スマートフォン等でそのまま利用したい」という媒体に関する回答が最も多く、約45%だった。

次いで、「デジタルチケットの利用可能エリアや、有効期限の種類を増やしてほしい」というチケットメニューに関する回答が約36%、「利用できる移動手段の組み合わせメニューを増やしてほしい」という回答も約33%あった。

「アプリや媒体(スマートフォンや交通系ICカード等)を切り替えることなく、一つの手段ですべての交通機関が利用できるようにしてほしい」という回答は約30%に上った。その他の自由回答として、下記のような意見が寄せられた。


  • スマートフォン等を持っていなくても利⽤できるようにしてほしい
  • 電池切れや故障などが気にならない⼿段が良い
  • チケットのメニューなど、便利な情報を積極的に教えてほしい
  • 家族で移動する際等、⼦供や同伴者の分も⼀緒に購⼊できるようにしてほしい
  • 使⽤エリアを柔軟に⾃由に選べるようにしてほしい
  • 窓⼝等で説明を受けたい
■現状の認知度は決して高くないが・・・・・・

MaaSの認知度は約16%という結果が出た。現状の認知度は決して高くないが、MaaSの取り組みが広がるにつれ、今後、認知度も高まっていくとみられる。今後もこうした調査結果に注目していきたい。

▼調査結果
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/content/001469978.pdf

【参考】関連記事としては「MaaS解説(2022年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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