人手不足の食品スーパーを自律走行ロボットが救う!省人化に寄与

茨城県のスーパーで新たにロボット導入

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出典:GROUNDプレスリリース

多くの業界が人手不足に悩んでいるが、食品スーパーにとっても深刻な問題だ。品出しや棚卸し、レジ作業など、人が担っている業務は多いが、何とかしてこうした業務で省人化を実現していけなければ、将来的にビジネスの持続が難しくなるかもしれない。

食品スーパーにおける省人化に向けては、セルフレジの導入や無人スーパーといった挑戦が続いており、少しずつ成果が出てきているようだが、ほかにも省人化に寄与するソリューションがある。それが「自律走行ロボット」だ。

アメリカでは早くから、スーパーマーケットでの自律走行ロボットの導入が模索されてきた。すでに導入事例も多く、例えば米バジャー・テクノロジーズが開発した自律走行ロボット「Marty」は、スーパーの中堅チェーンにおいて在庫管理などで活躍している。

そして最近では、日本の食品スーパーでも自律走行ロボットを導入する例が出始めている。

■茨城県のスーパーが自律走行ロボットを導入

物流技術スタートアップのGROUND株式会社(本社:東京都江東区/代表取締役社長:宮田啓友)は2022年2月4日までに、茨城県でスーパーマーケット事業を展開するカスミの店舗に自律型協働ロボット「PEER(ピア)」を導入することを発表した。

ネットスーパー事業におけるピッキング支援ソリューションとして、PEERを実店舗で実稼働させる。こうした取り組みは日本初だという。

PEERの「ピッキング支援」とはどういう行為のことを指すのだろうか。GROUND社の公式サイトで公開されている動画によれば、ピッキングするのは人だが、PEERはピッキングする商品棚の前まで前もって自律走行で移動するようだ。

この仕組みにより、人はピッキングした商品を入れるための箱を持ち運ぶ必要がなくなり、ロボットがいる場所が目印となって次から次へとピッキング場所に移動できるため、作業効率が上がる。百聞は一見にしかず。以下のPEERの紹介動画をみれば有用性がよく分かる。

ちなみにPEERにはSLAM技術が搭載されており、カメラやLiDARでマップデータを自動作成しながら位置情報も同時に取得し、人と協働して自律走行が可能だという。

【参考】関連記事としては「SLAMとは?位置特定と自動運転地図の作成を同時に」も参照。

■食品スーパー業界でロボット導入が加速する?

ロボティクス技術の進化によって、人々がしていた業務をロボットが担うようになりつつある。PEERのようなロボットが、今後、日本の多くの食品スーパーで当たり前のように見掛けるようになる日も決して遠くないはずだ。

食品スーパー業界におけるロボット導入の動向に、引き続き注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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