地域ブランディングなどを手掛ける株式会社ふろしきや(本社:長野県千曲市/代表取締役:田村英彦)は、ワーケーション体験を高めるサービス「温泉MaaS」に取り組んでいる。
報道発表によれば、2021年5月に開催されたワーケーションイベント「千曲市ワーケーションウェルカムデイズ」から、温泉MaaSの実証実験を開始したようだ。
「観光型MaaS」「都市型MaaS」「医療MaaS」などはよく耳にするワードだが、「温泉MaaS」とは一体どのような取り組みなのだろうか。
■「温泉MaaS」とはどんな取り組み?
ふろしきや社は元々、温泉がある長野県千曲市でワーケーション事業を行っていたが、ワーケーション参加者はワークスペースや観光地への移動の機会が多いにもかかわらず、駐車場の確保や列車の本数などの問題などで、移動に関する課題を抱えていたという。
その課題を解決するために開発されたのが「温泉MaaS」だ。温泉MaaSとは、温泉地を含む観光地にて、ワーケーションとモビリティサービスを組み合わせてさまざまな交通手段を利用できるという取り組みだという。
具体的には、タクシーの配車依頼やレンタサイクルの利用予約を1つのアプリを通じてできるようにするほか、ワークスペースや観光スポットの情報の閲覧や、AIエンジンによるチャットでの問い合わせサービスなども利用できるようにするというもののようだ。
ふろしきやは今後もサービスの新設・拡張に取り組んでいくという。
■各地で盛んになりつつある「地域×MaaS」の可能性
ある人が自分の生活圏とは異なるエリアを訪れたとき、そのエリアについての観光情報や移動の情報について詳しく知らないのは当然のことだ。そんなとき、観光や移動の情報に一つのプラットフォームでアクセスできるようになれば、非常に便利だ。
MaaSとはこうした発想などから生まれた概念であり、観光客やワーケーション客を呼び込もうとしている自治体で、実証実験が盛んに行われるようになりつつある。自治体主導ではなく、民間企業が独自に展開している取り組みもある。
今回の千曲市の温泉MaaSも、こうした「地域×MaaS」の取り組みの1つと考えられる。今後の取り組みに関する発表にも注目していきたい。
【参考】関連記事としては「MaaSとは?2020年代に社会実装本格化!定義や意味、仕組みを一挙まとめ」も参照。