日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン、株式会社ショーワ、日信工業株式会社は、2021年1月1日をもって経営統合を完了し、新たに日立Astemo株式会社を設立したことを発表した。
4社はそれぞれ自動運転を含むCASE領域に注力してきた経緯があり、社名には「先進的かつ持続可能な社会に貢献する技術を通じて安全・快適で持続可能なモビリティライフを提供する(Advanced Sustainable Technologies for Mobility)」という意味が込められている。
■日立Astemoの概要
日立Astemoは、パワートレインシステム、シャシーシステム、ADAS(先進運転支援システム)というコア事業において、自動車や二輪車における先進的なモビリティソリューションを創出するグローバルメガサプライヤーとして誕生した。
統合した4社の技術力によって、成長事業分野であるCASE(C=コネクテッド、A=自動運転、S=シェアリング・サービス、E=電動化)領域におけるリーディングカンパニーを目指す。
ちなみに4社の経営統合は2019年10月に東京都内で行われた会見ですでに発表されていた。日立Astemoの社長には、日立オートモティブシステムズの代表から横滑りする形でブリス・コッホ氏が就任している。
■4社それぞれのこれまでの取り組みは?
今回経営統合された4社は、自動運転などCASEに関する取り組みをそれぞれ進めていた。例えば日立オートモティブシステムズは自動運転の実証実験に向けた実証実験を茨城県ひたちなか市の一般道で実施するなどしている。
ステアリング事業を核とするショーワは、高度な自動運転に対応するSBWS(ステア・バイ・ワイヤシステム)を使ったステアリングシュミレータを開発している。ケーヒンも自動運転などを想定したパワートレインの電子制御の研究開発に力を入れてきた。
ブレーキ大手の日新工業は、2015年9月に自動運転に使われるレーダーやカメラに強みを持つエアバック大手のオートリブと合併し、早い段階から自動運転に向けた取り組みを強化している。
■【まとめ】4社の経営統合によるシナジー効果で勝負
2019年10月に発表された4社の経営統合が、ついに現実のものとなった。CASE領域で各社による開発合戦が熱を帯びる中、シナジー効果で日立Astemoがどれだけ存在感を高めていけるか、注目していきたい。
【参考】関連記事としては「日立が実は、真っ先に「自動運転」に張っていた!」も参照。