米ミシガン大学の「Mcity」は、自動運転車をテストできる施設として注目を集めてきた。そんなMcityが新たなプロジェクトに乗り出す。仮想空間上で実世界のデータセットを具現化し、全米の研究者がそのデータセットにアクセスできるようにするという。
このプロジェクトは「Mcity 2.0」を名付けられ、全米科学財団から510万ドル(約7億3,000万円)の資金提供を受けて進められるという。
米メディアの報道によれば、仮想空間上での実世界のデータセットにさまざまな研究者がアクセスできるようになることで、関係者などからは「モビリティ研究の土俵がより公平になる」といった声が挙がっているようだ。
その理由は、自動運転車を独自に保有していなくても、試験施設を独自に有していなくても、Mcity 2.0では自動運転の実証実験が仮想的に可能になるからだ。
【参考】関連記事としては「ミシガン大学の自動運転シティに(Google Earthで)行ってみた」も参照。
ミシガン大学の自動運転シティに(Google Earthで)行ってみた https://t.co/ZzBehXlys2 @jidountenlab #ミシガン大学 #自動運転シティ #GoogleEarth
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) March 1, 2022
■ミシガン大学、自動運転分野の研究で世界をリード?
報道によれば、実世界のデータセットはミシガン州のデトロイトとアナーバーにおいて、センサーを使って収集される。
実はミシガン大学は10年前からデータ収集を始めており、ミシガン大学はMcity 2.0の展開のために、この取り組みをさらにスピードアップさせるものとみられる。
2015年からプロジェクトがスタートしているMcity。ミシガン大学がMcityのプロジェクトに力を入れているのは、今後の市場拡大が確実視されている自動運転分野の研究で世界をリードしたいという思惑があるからだ。
ちなみに類似の取り組みとしては、シンガポールの南洋理工大学(NTU)の構内にある自動運転車のテストセンター「Centre of Excellence for Testing & Research of AVs–NTU(CETRAN)」とテストサーキット「CETRAN Test Circuit」にも注目したいところだ。
【参考】関連記事としては「シンガポールの「住めない自動運転の街」に仮想的に行ってみた」も参照。