豊田通商株式会社(本社:愛知県名古屋市/社長・CEO:貸谷伊知郎)は2018年12月10日までに、日本版GPS(全地球測位システム)とも呼ばれる準天頂衛星システム(QZSS)「みちびき」を活用した自動運転の実証実験を、オーストラリアのメルボルン市近郊で開始したことを発表した。
この実証実験は経済産業省の2018年度「衛星データ統合活用実証事業」の採択案件。実証実験ではみちびきのほか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した衛星信号補正データ生成システム「MADOCA」、高精度3D(3次元)地図などが活用される。
目的は、アジアやオセアニア地域で抱える物流業界の課題解決だ。具体的には実証実験では、衛星データの自動運転車への適用や統合管制システムの検証などを行う。自動運転車を使用した新たなビジネスモデルの構築にも挑むという。
実証実験に参加する企業・団体と役割は下記の通り。
- 豊田通商株式会社(豊田通商グループ)
〜実施主体 - TT Logistics (Australasia) Pty. Ltd.(豊田通商グループ)
〜豪州企業統括、現地作業のサポート - 株式会社ネクスティエレクトロニクス・TOYOTA TSUSHO NEXTY ELECTRONICS (THAILAND) CO., LTD.(豊田通商グループ)
〜管制システムの開発 - 株式会社日本総合研究所
〜プロジェクト管理支援、準天頂衛星・自動運転に係るアドバイザリー - 慶應義塾大学SFC研究所大前研究室
〜自動運転車の提供、高精度測位技術・高精度地図の適用 - 三菱電機株式会社
〜高精度3D地図作成の統括、高精度3D地図作製用機器の提供 - ダイナミックマップ基盤株式会社
〜高精度3D地図の整備 - マゼランシステムズジャパン株式会社
〜高精度マルチGNSS受信機提供、測位精度検証 - グローバル測位サービス株式会社
〜補正データのインターネット配信サーバ構築・運用、補正データを利用する測位の技術検証
【参考】関連記事としては「総合商社、自動運転・MaaSビジネスに照準 最新業界動向&事業まとめ」も参照。