大阪エリアを中心に地下鉄や路線バスなどを展開する大阪メトログループは、2019年4月19日に発表した中期経営計画(2018〜2025年度)の中で、自動運転分野への取り組みについて触れている。
中期経営計画の資料によれば、大阪メトロは2019年度以降の課題として、安全・安心な運行の強化を挙げており、その対策として地下鉄とバスの自動運転化の準備を行う方針のようだ。
■地下鉄では2024年度に実証実験
具体的な計画としては、地下鉄の自動運転化は2024年度に中央線の「阿波座駅〜新駅(夢洲)区間」での実証実験を予定している。そのほかの路線にも、車両の入れ替えタイミングに合わせて順次導入していく計画だ。ただし、添乗員が乗車した状態の自動運転を想定している。
■バス事業では2019年度に実証実験、2020年度に実用化
バス事業では2020年度に夢洲や舞洲など湾岸エリアの4路線で実用化を目指す。具体的な取り組みとしては、2019年度にバス事業の営業敷地内や路上での自動運転レベル3(条件付き運転自動化)の実証実験を開始する。
2024年度には運用を20路線に拡大する計画だ。2025年開催の大阪万博の会場設置や乗客輸送にも自動運転バスの活用を予定しているという。
■オンデマンドバスの実用化と自動運転技術の導入も
バス事業では従来の路線バス運行に加えてオンデマンド型交通の実用化を目指す。さまざまな交通機関と連携させてMaaSシステムへ進化させることも検討するようだ。
具体的なサービス内容としては、スマートフォンから事前予約して指定の時間に指定のバス停にバスを呼ぶことができるオンデマンドバスだ。路線バスのように乗客がバスの時間に合わせてバス停に行く必要がなく、利便性の向上が期待できるサービスだ。
オンデマンドバスにも自動運転の技術を導入し、予約状況に合わせた最適ルートで運行するなど最新技術を投入する予定だ。2021年度の実用化を目指し、2020年度中にも実証実験を開始する予定だという。
■大阪万博に向けて複数の実証実験
大阪万博に向けた自動運転の実用化を目指し、複数の実証実験を予定している大阪メトロ。実験を始めるにあたり、どのような自動運転企業と連携を取っていくのかも気になるところだ。
2018〜2025年度の中期経営計画については「Osaka Metro Group 2018-2025年度 中期経営計画」から詳しい内容を確認できる。
【参考】関連記事としては「MaaSとは? 読み方や意味・仕組み、サービス・導入事例まとめ|自動運転ラボ」も参照。