株式会社富士経済(本社:東京都中央区/社長:清口正夫)は、ロボティクス、IoT、AI(人工知能)などを活用した物流システム・物流サービスの市場について調査し、2019年1月31日までにその結果を発表した。
それによると、自動運転トラックや自動配送を含む「次世代物流システム・サービス市場」は、2025年には2017年比89.1%増の3兆8743億円に拡大するという。
■人手不足の深刻化などを背景に今後も市場拡大続く
調査は、システム分野とサービス分野の2つに分けて行われた。
システム分野の対象は、ロボティクス・オートメーション、ロジスティクスファシリティ、IoTのハードとソフト・ソリューション、AIだ。そしてサービス分野は、低温物流サービスやトラックシェアリングなどを対象に実施された。
調査結果の発表では、市場全体の背景としては物流現場の人手不足の深刻化などがあり、ロボティクスやIoT、AI技術を活用することで人材不足を解消する取り組みが進んでいることをまず挙げている。
この背景から市場の拡大は今後も続くとみられ、具体的には次世代物流システムでは、AGV(無人搬送車)・アーム付AGV、AIとロボットで構成されるロボットシステムが、大きく伸びると予測している。
さらに現状ではまだ規模が小さいIoT関連が、物流向けIoTプラットフォームの伸びにけん引され、今後は市場の伸びが期待されるという。
AI関連では、物流向け音声認識エンジンやAI画像認識活用物流システムなどの本格的な導入が始まり、市場は成長するとみている。
■次世代物流サービス市場は今後もアジアを中心に成長
現状は低温物流サービスが90%以上(2017年時点)を占めているサービス分野については、今後もアジアを中心に成長すると予想している。
なかでも、トラックシェアリングや倉庫シェアリングなど、オンライン上でマッチングするサービスは、現時点では市場規模は小さいが、今後は伸びが期待されるとしている。
この調査では物流向けドローンの国内市場と物流向けIoTプラットフォームの国内市場も調査しておりており、物流向けドローンの国内市場は2025年には25億円、物流向けIoTプラットフォームの国内市場は27億円に成長すると予測している。
【参考】関連記事としては「「自動運転×物流」の最新動向まとめ 労働力不足に光明、トラック自動化はいつ?」も参照。