車載ネットワークシステムを手掛ける米Excelforeは2019年5月24日までに、同社が開発する車載クラウドシステム「eSync」が、中国インターネット検索大手の百度(バイドゥ)が推進する自動運転プロジェクト「アポロ計画」のプラットフォームとして採用されたことを発表した。
【参考】アポロ計画はバイドゥが2017年4月に発表したプロジェクトで、自動運転向けのプラットフォームをオープンソース化して安全性を高め、自動運転開発を加速させる目的で設立された。BMWやダイムラー、ホンダ、ヒュンダイなどの大手同社メーカーのほか、インテルやマイクロソフトといった自動運転関連開発を行う企業まで世界中から100以上の企業が参画している。関連記事としては「百度のアポロ計画、AI自動運転バス量産化へカウントダウン」も参照。
■「eSync」ファームウェア更新に対応、ビッグデータ収集で開発加速も
eSyncはクラウドに設置したサーバーと自動運転車両を連携するプラットフォームで、無線によるファームウェア更新を行うことができる。ネットワークを通じてサーバーと接続する自動運転車両やコネクテッドカーでは、安全性を確保するために常に最新のファームウェアを維持することが重要となっている。
また、サーバーと自動運転車両は双方向通信を行うことが可能で、ハンドルやブレーキ、各種センサーからのデータをクラウドに送信することで複数の車両から運行データを集め、自動運転システムの学習が可能になるという。データ収集と学習のループを構築することで、アポロ計画の自動運転開発を加速させるのも狙いの一つのようだ。
バイドゥは報道発表の中でのコメントで、アポロ計画にとってeSyncはメリットのあるシステムであることに触れ、Excelforeとのさらなる連携も検討していく方針を明らかにしている。
Excelforeは2017年に中国法人を設立して以来、徐々に中国国内での存在感を強めている。報道発表の中では、現在中国の自動車メーカーと取り組んでいるプロジェクトがあることも明かした。
【参考】アポロ計画の詳細については「中国・百度(baidu)の自動運転戦略まとめ アポロ計画を推進」も参照。