自動運転には次の移行ステージがある——。こう考える有識者がにわかに増えている。
完全無人の自動運転車では車両に搭載されたAI(人工知能)が運転の主体となり、自車位置の特定や障害物の検知を行いながら安全な走行を実現する。あくまで「1台1台の車」が判断して個々に走行を行うという考え方だ。
まさに次世代交通社会の到来——。現在ではそう考えられているが、一部の専門家などはこの個々のAIが車両の走行判断を行うという社会システム自体が、将来的には時代遅れになると主張している。
こうした専門家が唱える説はこうだ。
将来的には、全ての車が接続された中央集権ネットワークが各車両の走行を支配するようになる。犯人は車で逃走することもできなくなるし、救急車が通るときは全ての車が一瞬で路肩に避けられるようになる——。
こうなると「運転」という概念は既になくなり、車に乗る人は「運ばれる」という概念に近くなる。
全ての車が中央集権的なネットワークにつながることにセキュリティ上の懸念はあるし、少なくともすぐに実現できるものでもない。眉唾の「大予言」になるかもしれないが、自動運転の先にあるものは何か、既に思いを巡らせている人もいることには少々驚いた。
【参考】自動車業界は自動運転を始め、今後もさまざまイノベーションが起きると言われている。「空飛ぶクルマ」もその一つだ。空飛ぶクルマについては「空飛ぶクルマ、2020年代に日本でも 自動運転で免許不要に Cartivatorも開発|自動運転ラボ