アメリカにおいて、空飛ぶクルマの分野で新たなタッグが誕生した。自律飛行型のエアタクシーの機体を開発する米スタートアップWisk Aeroと、エアモビリティ用ターミナルを所有する米BLADE Urban Air Mobilityが提携したことが、2021年5月18日までに明らかになった。
今回の提携でWisk AeroはBLADE側に最大30機のeVTOL(電動垂直離着陸機)を空飛ぶクルマとして提供し、BLADEが所有するエアモビリティ用ターミナルで運航させる。ちなみにWisk Aeroは、航空機大手の米ボーイングとeVTOL開発企業の米Kitty Hawkの合弁企業だ。
BLADEはSPAC(特別買収目的会社)との合併により、米ナスダック市場で株式公開をする意向だ。2020年12月の発表では、SPACのExperience Investmentと8億2,500万ドル(約902億円)の評価額で合併する計画が明らかになっている。
空飛ぶクルマ関連では、中国のEHangがすでにナスダック市場に上場しているほか、Joby Aviationも近くSPAC上場する見込みとなっており、Wisk Aeroとタッグを組んだBLADEのSPAC上場で、空飛ぶクルマ市場はさらに盛り上がることになりそうだ。
■米連邦航空局からの型式認証で運航が可能に
Wisk AeroのeVTOLが実際にBLADEのエアモビリティ用ターミナルを使って運航を開始するためには、米連邦航空局(FAA)から型式証明を取得する必要がある。
両社は今後、共同で機体の設計や製造から取り組み始め、型式認定を得る時期としては2024年を想定しているようだ。それと同時に、空飛ぶクルマの搭乗を予約するためのアプリ開発なども進めていくという。
ちなみに両社に興味がある人は、ぜひそれぞれの企業の公式ウェブサイトを見てみてほしい。特にWisk Aeroの公式サイトでは同社のeVTOLの画像ギャラリーや動画を閲覧できる。業界関係者であれば必見だ。
▼Wisk|Autonomous Urban Air Mobility
https://wisk.aero/
▼Fly the Future Today – BLADE
https://www.blade.com/
【参考】関連記事としては「「空飛ぶクルマ」とは?2020年代に実現濃厚…基礎知識を徹底解説」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)