トヨタの「伝える力」レベルアップ!電通との出資で広告新体制へ CASEやMaaS視野に

新会社が2021年1月に発足予定

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トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市/代表取締役社長:豊田章男)は2020年9月27日までに、広告大手の電通グループとトヨタの完全子会社である広告代理店デルフィスとともに、マーケティングの変革やモビリティビジネスの創造に向けた新会社を設立すると発表した。

新会社は2021年1月に発足予定だ。

■新会社は何をするのか?

電通は広告業界の最大手であり、トヨタとの関係も深い。多くのトヨタの広告には電通が関わってきた。新体制では、トヨタ自動車が66%、電通が34%の株式を出資して新しい持株会社を設立し、その下に2つの事業会社が作られる予定だ。

その1社は基本的に従来のデルフィスの事業を受け継ぎ、以下の3つを軸に新たなコミュニケーション、マーケティングに取り組んでいく。

もう1社についてはデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、デジタルコミュニケーション分野の研究機関として新たな仕組みやビジネスを創造するとしている。従来の広告代理店業とは離れたところで、新ビジネスに向けた俊敏な動きができるようにしていく。

持株会社については事業会社2社を統括し、マーケティング領域の変革に関する戦略的意思決定を行うとしている。ちなみに持株会社、2つの事業会社を含めて新会社の社名はまだ決まっていない。

■「伝える」を変革するトヨタ

報道発表からは、CASE(コネクテッド、自動運転、サービス・シェアリング、電動化)、MaaS、Woven Cityなどの新しいビジネス領域において、新しい広告や広報の手法にトライしていくという姿勢が感じられる。

従来からデルフィスはトヨタのハウスエージェンシーとして「伝える」部分の役割を担っていたが、その部分を新時代に向けて変革しようという今回の発表。トヨタの新たな動きに注目していきたい。

【参考】関連記事としては「【保存版】トヨタ×自動運転の全てが分かる4万字解説」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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