THKのサービスロボット、自律走行での「動く広告」で期待感

あいちロボットショーケースで披露



自律搬送ロボット(左)、自律移動型ディスプレイロボット(中央)、検温ロボット(右)=出典:THKプレスリリース

機械部品大手のTHK株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長:寺町彰博)のサービスロボットが、愛知県主催の体験イベント「あいちロボットショーケース」でこのほど披露された。

あいちロボットショーケースは、サービスロボットの社会実装を促進するための体験イベントで、2019年から実施されている。2021年最初のイベントは、1月18〜24日にかけて名古屋市の大名古屋ビルヂングで実施された。


THKのサービスロボットとしては、自律搬送ロボットや自律移動型ディスプレイロボットなどが登場した。詳しくは後述するが、自律移動型ディスプレイロボットは広い商業施設で大活躍しそうな予感だ。

■Lifter付きSEED-Mover:自律走行台車×昇降リフター

THKの自律搬送ロボットとして披露された「Lifter付きSEED-Mover」は、自律走行台車と昇降リフターを組み合わせたロボットで、全方向への移動や360度旋回が可能となっている。

昇降リフターは搬送物の昇降だけでなく、前後の引き出し動作もでき、主に外食産業やオフィス内などでの活用が期待されている。

例えば飲食店において、昇降リフターに積んだ飲み物を指定の場所に届け、受け取る人の取りやすい高さに合わせて上下昇降し、取りやすいように前後の引き出し動作も行う。


人に安心感を与えるため、歩行者とほぼ同じ速度で走行することも特徴だ。オフィス内ではフロア内を往来する配送台車としても活用できる。

■自律移動型ディスプレイロボット:「見る・動く・展示」の3機能

自律移動型ディスプレイロボットは、「見る」「動く」「展示する」という3つの機能を併せ持つ次世代ロボットだ。狭い場所でも全方向への移動や360度旋回が可能だという。

この自律移動型ディスプレイロボットは、商業施設に入居する食品スーパーやテナント店舗のセール情報やタイムセール情報などの発信で、大いに活用できそうだ。

従来のディスプレイは「固定型」だったが、「自律移動型」であれば商業施設内を巡ることができ、人の動態データと連携させれば、人が多くいる場所まで自律走行で移動して効率良くPRができる。


■【まとめ】アイデア次第でもっと多くのサービスロボットが登場

ちなみにもう1つのロボットは「検温ロボット SEED-Noid」で、頭部にあるサーモグラフィカメラが人の体温を測定し、発熱者を発見できるロボットだという。

このように、自律走行型のサービスロボットが活躍できるシーンはさまざまあり、アイデア次第でまだまだ多くの種類のサービスロボットの開発の余地がある。THKの今後のサービスロボット開発に注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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