東京大学発AI(人工知能)ベンチャーのTRUST SMITH株式会社(本社:東京都文京区/代表:渡辺琢真)は2020年1月7日までに、自動運転車を活用して工場内作業の自動化に取り組む関連会社として、新たにSMITH&MOTORS株式会社を設立したことを発表した。
フォークリフトやトラックなどの自動運転化のほか、AGV(無人搬送車)を使った事業に取り組むものとみられ、製造業・運送業向けにソリューションを提供していく方針のようだ。
■AIなどの技術で工場内作業の自動化を支援
昨今、労働人口の減少や新型コロナウイルスの感染拡大により、製造業や運送業における人材確保の課題が深刻化している。さらに、巣ごもり需要によってEC(電子商取引)の利用が拡大したことで小口配送が増えており、運送業の担い手の負担が大きくなっている。
このような事情を踏まえ、SMITH&MOTORSはAIやロボティクスなどの最先端技術を活用し、「人件費削減と労働力不足の解消」「データ蓄積と効率的走行ルートの作成」「事故率ゼロの安全な走行」という3つのテーマの実現を目指していくという。
■親会社のTRUST SMITH、ドラレコ映像から個人情報を取り除くAIの開発も
SMITH&MOTORSの親会社となるTRUST SMITHは、AIや数理・物理アルゴリズムに強い大学発ベンチャーとして、障害物回避型アームアルゴリズムや自動搬送ロボット、自動搬送トラックの開発を進めている企業だ。
そのTRUST SMITHが今回新たに製造業・運送業向けの事業を展開する関連会社を設立したことで、本格的にこうした業界の課題解決に取り組む姿勢が改めて鮮明になった形だ。
ちなみに2020年8月には、個人の顔やナンバープレートなどの個人情報をドライブレコーダー映像から取り除くAIの開発に成功したと発表しており、着々と技術力を高めている印象だった。
■【まとめ】この分野で存在感を高められるか注目
人手不足やコロナ禍によって、確実に製造業や運送業における自動運転技術の活用ニーズは高まっている。この分野で事業展開をする企業は徐々に増えているが、TRUST SMITHが新たな関連会社の設立でこの分野で存在感を高められるか、注目だ。
【参考】関連記事としては「東大発TRUST SMITH、閉鎖空間でのトレーラー自動運転へ開発開始」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)