埼玉工業大学は2020年6月25日までに、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)の第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」に参加する形で、東京臨海部実証実験の羽田空港地域における実証実験を開始したことを発表した。
SIPは、府省庁の枠や分野を超えて産学官が連携し、科学技術イノベーションを実現するための国家プロジェクトだ。2019年10月からスタートしたSIP第2期の「自動運転(システムとサービスの拡張)」では、国内外の自動車メーカーなど29の企業・団体などが参加している。
羽田空港地域で実施される実証実験では、自動運転レベル4(高度運転自動化)相当の次世代型公共交通システムの実現を目指し、公共交通機関であるバスの定時性の向上や磁気マーカーを活用した自動運転の実現、緩やかな加減速やバス停への正着制御などを検証する。
【参考】関連記事としては「SIP第2期、羽田空港地域で自動運転の実証実験がスタート!」も参照。同記事では実証実験に参加する29機関の一覧も紹介している。
SIP第2期、羽田空港地域で自動運転の実証実験がスタート! https://t.co/PBwvRLt6dm @jidountenlab #自動運転 #羽田空港 #実証実験
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) June 12, 2020
■2019年8月に新しく開発した自動運転バスを活用
埼玉工業大学は、2017年にスタートしたSIP第1期の実証実験にも参加しており、私立大学では唯一の2期連続の参加となる。今回の実証実験では、2019年8月に新しく開発した自動運転バスを活用するという。
ちなみに埼玉工業大の自動運転バスは、スマートモビリティ実証を支援する「埼玉県スマートモビリティ実証補助金」にも採択されている。
■埼玉工業大学の研究開発への注目度はさらに高く
埼玉工業大学は、自動運転技術の実用化に向けた取り組みに力を入れている。公道での5Gによるレベル4の実証実験や、私立大学初となる大学発自動運転ベンチャー「フィールドオート」も設立している。
2019年4月には学長直轄の研究組織として「自動運転技術開発センター」を設立した。全国に先駆けてAI専攻を新設し、自動運転技術の先進的な研究や開発の強化を目指していることでも知られる。
新型コロナウイルスの感染拡大は、自動運転技術の有用性を改めて広く認識させた。そんな中、埼玉工業大学の研究開発の取り組みに対する注目度はさらに上がっていきそうだ。
【参考】関連記事としては「埼玉工業大学、「自動運転技術開発センター」の新設を発表」も参照。