パナソニックの社内カンパニーの一つであるオートモーティブ社(本社:神奈川県横浜市/社長:楠見雄規)は2019年10月21〜25日にシンガポールで開催される「ITS世界会議シンガポール2019」で、悪天候でも障害物の形状識別が可能な「ミリ波イメージングレーダ」や、交差点の死角などを可視化できる「瞬時接続ミリ波Wi-Fi」などを出展する。
この開催イベントは「Smart Mobility, Empowering Cities」をテーマに、シンガポールの国際会議展示場「Suntec Singapore Convention and Exhibition Centre」で開催される。同社が展示するミリ波イメージングレーダと瞬時接続ミリ波Wi-Fiとは、どのようなものなのだろうか。
■ミリ波イメージングレーダとは?
従来のミリ波レーダーは、車両前方の障害物を2次元(距離と水平角度)で検出していたため、物体の形状まで推定することはできなかった。これに対しミリ波イメージングレーダは、パナソニック独自のアンテナ配置技術と信号処理により、距離と水平角度に加えて垂直角度の検出もできるようになり、3次元での形状識別が可能になるという。
特に夜間や悪天候時に自転車や歩行者などの形状を識別する能力に長けており、自動運転車の車載レーダーや交差点エリアの監視設備としての活用が期待されている。
■瞬時接続ミリ波Wi-Fiとは?
ミリ波Wi-Fiは大容量データの送受信が可能だが、通信エリアが狭く、車両の高速移動には適していないという欠点があった。しかしパナソニックは独自の制御技術によって、高速移動中の瞬時接続を初めて実現したという。
このことにより、道路側センサーや車載センサー、ドライブレコーダーなどの大容量データを瞬時に伝送できるようになり、交差点などの死角データを可視化することも可能となるという。
■【まとめ】車載カメラを使った車両位置の推定技術も
自動車に搭載されるセンサーや技術は日進月歩、進化している。パナソニック株式会社オートモーティブ社の展示は、こうした進化を来場者に如実に感じさせるものと言えそうだ。同社のブースでは車載カメラを使った車両位置の推定技術も展示される。
【参考】関連記事としては「無人駐車実現!パナソニック、自動バレーパーキングのシステム開発 自動運転レベル4」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)