お酒の提供が中止になり、観客を入れることも不透明な東京オリンピック・パラリンピック。一方、中止をしてもらいたくないものもある。トヨタの自動運転車やロボットの導入だ。「非接触」(コンタクトレス)で活躍するからだ。
東京五輪のワールドワイドパートナーであるトヨタは2019年、五輪の競技会場や選手村で活躍させる多様なモビリティやロボットを発表した。例えば、自動運転EV(電気自動車)のe-palette(イーパレット)や、自律走行が可能なDSR(Delivery Support Robot)などだ。
東京五輪が2021年に延期されることが決まったあと、こうしたモビリティやロボットの導入を中止するという話は出てないので、恐らく予定通り導入されるとみられている。
運転手を介さない自動運転は感染防止に役立つ技術であり、さらに、五輪・パラリンピック大会においてトヨタの自動運転技術を世界にアピールするチャンスでもある。
■東京五輪でトヨタのモビリティ・ロボットが活躍!?
この記事では東京五輪開幕までいよいよ約2週間となる中、改めてトヨタが導入予定のモビリティとロボットを2つ紹介しよう。前述のe-PaletteとDSRだ。
選手村で活躍予定の自動運転EV「e-Palette」
「e-Palette」(イーパレット)は、MaaS専用車として開発されている自動運転EVで、選手村で選手や大会関係者の移動支援を担う予定だ。最大で20人乗車でき、車いすでも最大4台同時に乗車可能だ。
手すりやシートの高さを場所ごとに変え、どんな身長でも乗りやすく、色の明度差がついた内装や床にするなど、色弱者への配慮も忘れていない。
自律走行が可能な配送ロボット「DSR」
続いて紹介したいのが、自律走行が可能な配送ロボット「DSR」だ。このDSRは五輪専用に開発されたもので、専用タブレットから注文されたドリンクなどを観客へ無人で届けることを前提に開発されている。
仮に無観客になった場合はこのDSRは観客のためには使われないかもしれないが、選手や大会関係者などに何かを運ぶことでも活躍できるはずだ。
■【まとめ】感染防止対策で金メダル級の活躍も
コロナ禍が収束していない中、今回の五輪の開催には賛否両論ある。しかし、開催するのであれば最大限の感染防止対策に努めることは大会関係者の当然の責務で、そこでトヨタの技術が役に立つ。
当日は選手の活躍だけではなく、e-PaletteやDSRの活躍にも注目だ。感染防止対策で金メダル級の役目を果たしてくれるかも。
【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転戦略とは?2021年も大変革へアクセル全開」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)