無人航空機の目視外飛行実現へ、国内初の「性能評価手順書」 性能や評価基準を明記

NEDOと経済産業省が公表

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国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)と経済産業省が、ドローンなどの無人航空機による「第三者上空での目視外飛行」の実現に向け、「無人航空機性能評価手順書」を2020年5月29日に公表した。

包括的に取りまとめられた性能評価手順書の公表は国内初だという。

■3種類の無人航空機性能評価手順書

近年、物流分野や災害対応時において、無人航空機の活躍が期待されている。無人航空機は飛行する空域や方法により飛行レベル1〜4と定義され、国は2022年度にはレベル4の「有人地帯(第三者上空)での目視外飛行」での本格的な利活用を目指している。

NEDOは目視外・第三者上空飛行での安心で安全な飛行の実現に向け、飛行安定性や誘導精度、地上への危害低減に関する機体の性能評価の研究開発を、福島ロボットテストフィールドを活用した試験データを活用しながら進めてきた。

そんな中、この手順書はNEDOと福島県が締結したロボット・ドローンの実証などに関する協力協定の取り組みの一環として作成され、「目視内及び目視外飛行編」「第三者上空飛行編」「長距離飛行ミッション編」の3つで構成されている。

■目視内及び目視外飛行編

「目視内及び目視外飛行編」では、「物流」「災害調査」における飛行性能や積載性能、離着陸性能などをそれぞれ定めているほか、両方の共通する性能として、飛行時間や耐風性能、離着陸性能、耐環境性能、安全性能、環境負荷性性能、予感運用、目視外運用について性能評価基準や性能評価手順を定めている。

▼目視内及び目視外飛行編
https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200529004/20200529004-1.pdf

出典:NEDO
■第三者上空飛行編

「第三者上空飛行編」では、飛行の安定性や誘導精度、落下時の接触防止(落下分散)、地上の第三者への危害軽減(対人衝突、切創、音響)、水素燃料容器の安全性について、性能評価基準や性能評価手順を定めている。

▼第三者上空飛行編
https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200529004/20200529004-2.pdf

出典:NEDO
■長距離飛行ミッション編

「長距離飛行ミッション編」では、福島ロボットテストフィールドの南相馬滑走路から浪江滑走路間における長距離飛行での検証に活用できる無人航空機の性能評価手順を定めている。

▼長距離飛行ミッション編
https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200529004/20200529004-3.pdf

出典:NEDO
■【まとめ】無人航空機の活用への動きが加速

今後、NEDOと経済産業省はこの手順書の普及に努め、物流や災害対応などで無人航空機の活用への動きが加速するよう貢献するという。ドローンの本格的な活用が進むことのよいワンステップになりそうだ。

【参考】関連記事としては「経産省、「空飛ぶクルマ」ベンチャーに無人航空機の製造許可」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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