トヨタ自動車やソフトバンクなどが出資するMONET Technologies株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長:宮川潤一)=モネ・テクノロジーズ=は2020年3月18日までに、公式ホームページをリニューアルし、ソリューションや導入事例などに関する新たなコンテンツを追加した。
モネ・テクノロジーズ社は「オンデマンドモビリティサービス」「データ解析サービス」「Autono-MaaS事業」を事業内容に掲げており、移動における社会課題の解決や新たな価値創造を可能にする未来のMaaS(Mobility as a Service)事業の展開を目指している企業だ。
この記事では、リニューアルされたホームページで公開されているソリューションや導入事例などに関する内容を紹介していこう。
記事の目次
■モネ・テクノロジーズ社のソリューションは?
モネ・テクノロジーズ社が提案する主なソリューションは、利用者・生活者・交通事業者・サービス事業者をつなぐ「MONETプラットフォーム」で、MaaSサービスの基盤となるものだという。
車両の移動情報や各種車両の情報を集約したデータベースと各事業者のサービス情報を連携させることで、利用者に最適なモビリティサービスを生み出すことができると強調している。
■ソリューションの導入事例
モネ・テクノロジーズ社の公式ホームページでは、ソリューションの導入事例が4例紹介されている。
広島県福山市:中山間地域からの通院や買い物に便利なモビリティサービス
広島県福山市の服部学区では、日常の通院や買い物時に活躍するデマンド車両の実証実験が2019年3月から始まっており、地域住民の移動利便性の検証を行っている。
実証実験では、あらかじめスマートフォンにインストールした「MONETアプリ」を使い、「時間」「出発地と目的地」「乗車人数」を指定して乗り合いタクシーを予約することができる。
福山市は高齢者向けの移動手段の維持・確保を重要課題としており、将来を見据えた新たな移動サービスの導入に意欲的であるという。
愛知県豊田市:小原地区住民に欠かせない外出に便利なモビリティサービス
愛知県豊田市ではバスの運転手の担い手不足や採算が課題となり、運行形態の見直しが検討されている。そんな中、地域住民に向けてオンデマンド車両を運行させる実証実験が豊田市の小原地区で行われ、2019年6月よりサービス実装が始まった。
もともとこの地域で2008年から運行されている電話予約制のオンデマンド車両にMONETアプリ予約システムを導入することで、今回のサービス提供につなげた形のようだ。
神奈川県横浜市:旭区若葉台エリアの移動をより便利で快適にするモビリティサービス
神奈川県横浜市の旭区若葉台は土地の起伏が多いエリアだ。その旭区若葉台で、移動が困難な高齢者や乳幼児を抱える保護者などの住民向けに、デマンド車両の実証実験が2019年3月に始まった。
この地域では巡回バスが運行されているものの、今後も高齢者や子育て地帯の増加が見込まれているため、新たな交通手段に対するニーズが高まっていた。実証実験では、マンションや病院、スーパーなどを乗降ポイントとして設定し、住民が行きたい場所に行きやすいようなサービス設計となっている。
広島県東広島市:大学と地域の移動を便利にする産官学連携モビリティサービス
広島県東広島市では2019年10月から、広島大学と地域周辺のデマンド路線、広島大学と東広島駅までをつなぐ定時路線、の2路線における実証実験が開始されている。利用対象は大学生や周辺住民だ。
東広島市は大学や試験研究機関が数多く立地し、先端企業が集積している街だ。このエリアでも自動運転車両の導入も検討されているという。
■【まとめ】MONETコンソーシアムは500社突破
モネ・テクノロジーズ社が設立した企業横断型組織「MONETコンソーシアム」は加盟企業数が500社を突破し、次世代交通の分野では日本最大の組織となっている。モネ・テクノロジーズもMONETコンソーシアムも自治体との連携にも積極的で、自治体とのプロジェクトは今後一層増えていきそうだ。
【参考】関連記事としては「【最新版】MONET Technologies(モネテクノロジーズ)とは? トヨタとソフトバンク出資、自動運転やMaaS事業」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)