三井住友海上火災保険株式会社(本社:東京都千代田区/取締役社長:原典之)は2020年2月25日までに、公立はこだて未来大学発のAI(人工知能)スタートアップである株式会社未来シェア(本社:/代表取締役社長:松原仁)と、スマートモビリティ分野での業務提携に合意したことを発表した。
2016年7月に設立した未来シェアは独自のAI技術を生かし、オンデマンド・リアルタイム配車システム「SAVS」を提供している。三井住友海上火災保険は、SAVSを活用した「相乗りタクシー」などのサービス実装に向け、サービスの特徴に合わせた保険商品などを提供する考えのようだ。
未来シェア側は三井住友海上火災保険による保険商品の組成などのため、SAVSに関するデータや実証実験の情報を提供する。
両社は共同で新たなモビリティサービスを実現していくことを通じ、地域の交通課題の解決と持続的発展への貢献を目指していくという。
■モビリティ業界と保険業界
モビリティ業界と保険業界は切っても切り離せない関係だ。三井住友海上火災保険は2019年2月、「CASE」(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)や「MaaS」(サービスとしてのモビリティ)などが進展するモビリティ業界の環境変化に対応するため、2つの専門部署を新設している。
2019年5月には小田急電鉄と協業を開始した。小田急電鉄が開発するMaaSアプリの実証実験にあたり、三井住友海上火災保険が万が一に備えてMaaS向けの保険を提供するというものだ。
2019年10月には、ヤマハ発動機やMS&ADインターリスク総研と3社協定を締結した。三井住友海上火災保険はヤマハ発動機が手がける低速モビリティの実証実験において、保険に関する情報を提供するという役割を担っている。
【参考】関連記事としては「低速モビリティでMaaS実現!ヤマハ発動機と三井住友海上などがタッグ」も参照。
■事業者側に心強い「保険」の存在
まだ実現していない新たなサービスを実装するためには、実証実験が必要だ。ただ実証実験にはリスクも少なからず伴う。そこで活躍するのが「保険」の存在で、実施側にとっては心強い存在となる。
またさまざまな形態のモビリティサービスが模索される中、サービス提供と同時に保険が提供されるようになれば、事業者にとっても利用者にとっても安心だ。そのために今回の未来シェアと三井住友海上火災保険のような早期の事業者と保険会社の連携が求められる。
【参考】関連記事としては「自動運転車向けの損害保険、大手各社が準備急ぐ 損保ジャパン、東京海上日動、あいおいニッセイ…」も参照。