車両をギグワーカーに届けさせるレンタカーサービスを展開している米スタートアップ企業Kyteが、新たに3,000万ドル(約34億円)の資金調達を行った。
今回の資金調達のメインの目的は、新しい都市や国においてKyteのサービスを拡大することであるが、一部資金は「自動運転」のために使うという。
要は、ギグワーカーがレンタカーを利用者に届けるのではなく、車両自らが自動運転で利用車のいる場所まで移動する仕組みを構築しようとしているらしい。
そうすれば、ギグワーカーの人的コストがかからなくなり、人手を確保する手間も省ける。
■2019年にサンフランシスコで設立した新興企業
Kyteは2019年にサンフランシスコを拠点として発足したスタートアップ企業で、現在はサンフランシスコのほか、ボストンとシカゴ、ロスアンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、フィラデルフィア、シアトル、ワシントンDCの米国9都市でレンタカー事業を展開している。
Kyteのレンタカー事業のユニークな点は、レンタカーを指定の場所まで届けてくれる点だ。利用者はわざわざ店舗にレンタカーを取りに行く必要がない。もちろん、レンタカーを使い終わったあとも、指定した場所までピックアップに来てくれる。
こうした仕組みが利用者から好評で、Kyteの収益はこの1年で10倍になったという報道もある。
■現在はギグワーカーを使ってレンタカーを配送
現在、このレンタカーを配送しているのは、Uber Eatsのデリバリースタッフのような「ギグワーカー」たちだ。
彼らは「Kyte Surfers」と呼ばれ、電動スクーターをレンタカーに積んでユーザーの場所まで車で移動し、積み込んでおいた電動スクーターを帰りの足として使う。車の回収はその逆を行う。
そしてKyteは将来的には、冒頭触れたように、自動運転で車両自らが利用者のもとまで移動する仕組みを構築しようとしているようだ。すでにこうした仕組みの実装に向け、自動運転に関連する企業と協議を開始しているという。
■まずは遠隔運転で届ける仕組みを構築・展開
自動運転の前段階としては、まずは遠隔運転による配送を2022年から試験的に開始するという。累計資金調達額は4,000万ドル(約45億円)を超えるKyte。同社の先進的な取り組みに、今後も注目していきたい。
▼Kyte公式サイト
https://drivekyte.com/
【参考】関連記事としては「自動運転で注目!国内外スタートアップ45社を総まとめ」も参照。