日本航空(JAL)と住友商事は2020年2月14日までに、アジアでeVTOL(電動垂直離着陸機)機材を使った「空飛ぶクルマ」のサービス提供などの検討をスタートすることを発表した。
その検討開始に際して両社はeVTOL機材を開発する米Bell Textronと業務提携し、新規事業の創出や次世代インフラ事業の開発などに向け、日本とアジアにおける市場調査や事業参画などの共同研究を推進していく。
世界的に都市部への人口過密が加速する中、滑走路が不要なeVTOLは世界的に注目を集めており、将来的に短中距離の区間を手軽で安価に移動できるエアモビリティになることが期待されている。
JALのこれまで培ってきた空の移動に関わるノウハウ、住友商事のグローバルネットワーク、Bellの製品開発力を組み合わせ、3者は空飛ぶクルマによる移動サービスの早期実現を目指す。
■eVTOLを開発する企業が増加
今回、JALと住友商事はBellと業務提携したが、Airbus(エアバス)やBoeing(ボーイング)などの欧米の航空機メーカーもeVTOLの開発を本格化させている。
Airbusグループのシリコンバレー研究所「A3」(エースリー)は2018年秋ごろ、同社のeVTOL機「A3 Vahana」の実験飛行を開始している。同グループのAirbus HelicopterもeVTOL機を開発中だ。米Boeingは子会社Boeing NeXt社が実施したeVTOL機の試験飛行ビデオを2019年1月に公開している。
独Volocopter社も存在感を強めている。16個の小型プロペラをつけた無翼タイプの「Volocoputer 2X」は2017年10月に初飛行に成功した後、パイロットによる実験飛行を何度も実施している。
こうした民間企業によるeVTOL開発が進む中、アメリカではNASA(連邦航空宇宙局)やFAA(連邦航空局)、欧州ではEASA(欧州航空安全機関)などの組織らも、こうした企業に対する支援を強化している。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは? 仕組みや技術、必要なインフラなど|自動運転ラボ」も参照。