公共交通の利便性向上、「デマンドサービス」が鍵 茨城県日立市で新たなMaaS実証

使用アプリ、ナビタイムジャパンの技術を活用

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茨城県日立市で2020年2月から新たなMaaS実証が始まる。取り組むのは「日立市新モビリティ協議会」。自家用車への依存が高いエリアでMaaSによって公共交通の利便性を高め、地方における交通課題の解決を目指すというものだ。

日立市新モビリティ協議会は、みちのりホールディングスや日立製作所、茨城交通などで構成される。2月から取り組む実証実験は、国土交通省の「新モビリティサービス推進事業」と経済産業省の「スマートモビリティチャレンジ」に採択されている。

実証実験では主に2つの取り組みを行う。その2つとは「通勤型デマンドサービス」と「ラストワンマイル型デマンドサービス」だ。

■「通勤型デマンドサービス」と「ラストワンマイル型デマンドサービス」

まず1つ目の「通勤型デマンドサービス」では、日立グループの社員向けに朝夕1便ずつデマンドバスが運行される。利用者があらかじめ自宅近くのバス停をアプリ上で指定することで利用できるようになり、デマンドバスは事前に予約があったバス停のみに停車する形で運行されるという。

2つ目の「ラストワンマイル型デマンドサービス」は、茨城交通のバス停「大沼BRT」と大沼エリアの間を相乗りタクシーで送迎するというものだ。対象となるのはこのバス停を普段利用する住民などで、事前予約すると専用のタクシー車両が無料でバス停から自宅まで送迎してくれるという。予約が同時期に複数あった場合には、相乗りでの運行となる。

■MaaSアプリ「Hitachi City MaaS Project」で予約
出典:ナビタイムプレスリリース

こうしたサービスの予約をするためのアプリが、ナビタイムジャパンの技術で開発されたMaaSアプリ「Hitachi City MaaS Project」だ。両サービスの予約のほか、茨城県内の交通手段を複合的に組み合わせた経路検索が可能になるという。

またアプリの利用データなどを分析などを通じ、「将来的には、新たなモビリティサービスの導入やMaaSによる交通サービスの連携の計画、実績の評価等により、都市全体で公共交通を最適化するためのデータプラットフォームの提供をめざしています」(報道発表)としている。

MaaSアプリは既に先行リリースされており、両サービスの実証実験は2月3〜28日に実施する。

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