ダイハツが「ローカルMaaS」参画 自動運転視野にデータ収集の仕組みも

まちなかコンソーシアムにて実証

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出典:ダイハツプレスリリース

ダイハツ工業株式会社(本社:大阪府池田市/代表取締役社長:奥平総一郎)は2019年12月10日までに、「まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム」におけるローカルMaaSの実証実験に参画すると発表した。昨年度までの実証実験に経て改良された同社の軽自動車を提供するという。

「まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム」は、2018年8月に株式会社日本総合研究所(本社:東京都品川区/代表取締役社長:谷崎勝教)が設立した組織だ。ダイハツは2017年度から日本総合研究所との連携を開始し、2018年度からこのコンソーシアムに参画している。

ローカルMaaSの実証実験では、車内広告や地域交流などに活用できる車載ディスプレイを設置した軽自動車を提供する。ベース車両は「アトレーワゴン」だ。こうした車載ディスプレイで地域の商店などの広告が流れれば、地域の活性化にも貢献する。

また車載端末から車両データや車載カメラの映像データを収集してビッグデータ化し、そのデータを有効活用する仕組みも備えるようだ。こうしたデータは自動運転車が走行するためにも必要となり、将来を見据えた取り組みと言える。

■まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアムって何?

まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアムは、自動運転技術を活用して高齢者の移動を支援することを目的で設立された。官学民が連携し、必要な車両やシステムの仕様、事業化の可能性などについて検討している。

設立時点では、一般会員としてあいおいニッセイ同和損害保険やNTTデータ、沖電気工業、関西電力などが、オブザーバーとして日本自動車研究所が参画している。

■福祉型MaaSにも取り組むダイハツ

ダイハツは福祉介護型MaaSにも取り組んでいる。

2019年10月には香川県三豊市と福祉介護領域のおける次世代モビリティサービスに関する連携協定を締結した。詳細な取り組み内容までは触れられていないが、高齢者の日常生活の質を高めるため、AI(人工知能)やIoTなど先端技術を活用した次世代運行サービスに取り組むようだ。

まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアムにおけるMaaS実証への参画を含め、ダイハツの今後の動きが楽しみだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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