2021年8月、Appleの自動運転車がテスト走行中に2度事故を起こしたが、いずれも「手動運転中」の事故だった。しかし2021年9月28日にこのほど起こした事故は「自動運転中」の事故だった。
同じ自動運転車が起こした事故でも、8月と9月の事故は事故の種類は全く異なる。「自動運転モード中だったか、手動運転モード中だったか」。自動運転の事故に関するニュースを読むときは、その視点を忘れないようしたい。
■「自動運転モード」中の接触事故
まず2021年9月に起こした事故についてだが、カリフォルニア州車両管理局(DMV)によると、自動運転モードで走行していた際に事故が起きたようだ。
事故当時の速度は時速約21キロで、交差点を右折する際に縁石に接触した。この事故によってタイヤやホイールが損傷することもなく、負傷者も出なかったという。
続いて2021年8月の2度の接触事故についてだが、どちらの事故も手動運転モード中に発生したようだ。
ちなみにAppleの自動運転車の車両はトヨタのLexus RX 450hが用いられ、ソフトウェアはApple製だという。
■事故データの分析でさらに技術を高度化
Appleは「Titan」というプロジェクト名で、2014年頃から自動運転開発に取り組んできた。秘密主義を貫いているため詳しいことは分からないが、製造委託先を探していることや、エンジニアの募集をしていることなど、細切れに同社の取り組みの進捗状況が伝わっている。
また、Appleは自社工場を持たず製造を外部に委託する「ファブレス経営」で知られており、Appleが自動運転ソフトウェアのみを開発し、車体部分の製造を自動車メーカーに外注するとの見方が濃厚だ。トヨタが候補に上がっているとの報道もある。
いずれにしても、こうした事故のデータもしっかりと分析することで、Appleの自動運転技術はもっと高まっていく。引き続き、Apple Carの取り組みに注目していきたい。
【参考】関連記事としては「Appleの”極秘”自動運転プロジェクト、判明情報を一挙まとめ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)