駐車場関連機器メーカーのアマノ株式会社(本社:神奈川県横浜市/代表取締役社長:津田博之)は2020年1月26日までに、トヨタ系のアイシン精機株式会社(本社:愛知県刈谷市/社長:伊勢清貴)とともに、愛知県名古屋市内の一般駐車場で「自動バレー駐車」(自動バレーパーキング)の実証実験を行うと発表した。
駐車場管制システムの研究と開発を進めるアマノは、ナンバープレート認識をはじめとする画像処理技術を応用し、AI(人工知能)を使った画像解析技術「カメラシステム」を開発した。駐車場内を走行する車両や歩行者の検知と測位を行えるものだ。このカメラシステムで検知した駐車場内の状況データを自動運転車両に対して提供すると、俯瞰的な視線で自動走行の安全性を補助できるという。
アマノは2019年1月に、名古屋市内の駐車場で路車間連携による自動バレー駐車の技術検証を実施している。そしてさらなる技術の向上と実用化に向け、車両制御技術を手がけるアイシン精機と共同で実証実験を行う形だ。
アマノはこれを皮切りに、カーシェアでの自動バレー駐車活用を想定した実証実験を行い、一般ユーザーの受容性評価など検証していく予定だ。
■自動バレー駐車とは?どんなメリットがある?
「バレー駐車」はアメリカをはじめとした海外では一般的なサービスで、駐車する際に運転手に代わって専門の係員が駐車作業を行うことを指す。一方で「自動バレー駐車」はこのサービスに自動運転技術を活用したもので、車両の無人運転によって駐車が完結するシステムだ。
メリットの一つとしては、ドライバーが車内にいる必要がないため、ドアの開閉ができないような狭い場所にも駐車が可能であることが挙げられ、限られた敷地を最大限に活用することにつなげられる。また自動バレーパーキング専用の駐車場であれば駐車場内に人が入りこむことはなく、人身事故などが起きない。
■自動バレー駐車に取り組む企業は?
自動バレー駐車技術の開発は、国内外で以前から進められている。
国内では、ホンダは2013年に東京で開催された「第20回ITS世界会議 東京2013」で自動バレーパーキングのデモンストレーションを実施した。自動車部品大手のデンソーは2017年12月から「三井のリパーク」駐車場にて自動バレー駐車による実証実験を行っている。
2018年11月には日本自動車研究所(JARI)が、トヨタ自動車やアイシン電気、三菱電気、デンソーテンなどの参加企業とともに、自動バレーバーキング機能の実証実験を東京都内一般公開している。パナソニックも2019年10月、「無人自動バレーパーキングシステム」の開発を発表している。
海外では、独自動車部品大手ボッシュと独ダイムラーが2015年から共同で開発を進めており、2019年7月にはこの自動バレーパーキングが世界で初めて自動運転レベル4(高度運転自動化)の無人完全自動駐車機能として、ドイツ当局から承認された。
【参考】関連記事としては「自動バレーパーキングとは? 自動運転技術を活用 開発企業は?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)