米EV(電気自動車)大手テスラの自動運転タクシー(ロボタクシー)の売上について、2035年までに2,500億ドル(約38兆円)に達する可能性があるとの予測が出ており話題になっている。この予測をしたのは、米独立系調査会社のウルフ・リサーチだ。
これは、ライドヘイリング(ライドシェア)市場における自動運転車の普及率を30%と見込み、そのうちテスラのロボタクシーのシェアが50%となることを想定して算出されたものだ。ロボタクシー1マイル(約1.6キロ)あたりの料金は1ドル(約157円)を想定、つまりキロ100円程度の想定だ。(ちなみに東京・大阪の現在のタクシーはキロあたり約500〜600円程度で、約5分の1ということになる)
しかしテスラは昨年ロボタクシーサービスを開始したが、セーフティドライバーありでの運行を行っており、本当の意味での自動運転とは言えない状況だ。2026年1月に一部でドライバーレス走行で追従車が監視する方式を始めたものの、プロモーションの意味合いが強いとの意見が多く、完全自動運転となるにはほど遠いという見方が強い。
現在はGoogle系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)が圧倒的なシェアを誇るロボタクシー業界。後発のテスラが躍進するという予測は現実になるのだろうか。
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■ロボタクシーの売上「2035年までに2,500億ドル」
ウルフ・リサーチのアナリストは、2026年にロボタクシーサービスが急成長すると予想している。これはODD(運行設計領域)とユーザー基盤が両方とも拡大することと、監視なしの自動運転が成長すると見込まれることが根拠になっているようだ。
テスラは2025年6月にテキサス州オースティンで念願のロボタクシーを始動させており、今後監視なし(セーフティドライバーなし)でのサービス提供を拡大していく予定だ。また2026年前半にテキサス州ダラスとヒューストンでもサービスを開始する計画もある。さらにアリゾナ州フェニックスやフロリダ州マイアミ、オーランド、タンパ、ネバダ州ラスベガスなどでも展開することを視野に入れている。
アナリストはこの計画について、「成功した場合、長期的なROI(投資利益率)は非常に魅力的なものになる可能性がある」と述べている。そして2035年までにテスラのロボタクシー事業の売上は2,500億ドルに達する可能性があるとしている。
ただし、ライドヘイリング市場での自動運転車の割合が30%になり、そのうちテスラのロボタクシーのシェアが半分を占め、1マイル当たりの運賃が1ドルであるとの想定のもとでの試算になる。
■テスラは半分のシェアを取れるか?
テスラのCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏は数年前から「自動運転は近く実現する」といった主旨の発言をしていたがなかなか達成することがなく、「やるやる詐欺」とも言えるような状態が続いていた。
やっとオースティンで始動したロボタクシーサービスも、セーフティドライバーが運転席に座った状態での走行となり、完全ドライバーレスでのサービス提供を行っているWaymoの技術レベルにはほど遠い状況だ。カリフォルニア州サンフランシスコでもサービスを提供しているが、これもセーフティドライバーありでの運用になっている。
そのような中、テスラのAIソフトウェア担当副社長Ashok Elluswamy氏はX(旧Twitter)の「私はセーフティモニター(安全監視員)なしでのロボタクシーに乗っている」という投稿に返信する形で、「現在オースティンでは安全監視員が一切いないロボタクシーサービスが一般向けに提供されている。まずは監視員を伴うロボタクシー群の中に、少数の監視員なしの車両を混在させる形での運用を開始しており、その割合は今後徐々に増やしていく予定だ」と投稿している。
Robotaxi rides without any safety monitors are now publicly available in Austin.
Starting with a few unsupervised vehicles mixed in with the broader robotaxi fleet with safety monitors, and the ratio will increase over time. https://t.co/ShMpZjefwB
— Ashok Elluswamy (@aelluswamy) January 22, 2026
またマスク氏も「オースティンでは現在、車内に誰もおらず、セーフティモニターも追走車もない状態で走行している車両がすでにある」とコメントしている。これが本当だとすると、セーフティドライバーなしでの運用は社外的なアピールではなく、Waymoのような完全ドライバーレス化を実現するのも近いのかもしれない。
■テスラはWaymoに勝てるのか!?
現在米国では、テスラやWaymoほかAmazon傘下のZooxもロボタクシーを実用化している。圧倒的なシェアを誇るのは2018年に世界で初めてロボタクシーサービスを商用化したWaymoで、合計4,000万マイル(約6,437万キロ)以上の走行実績を持つ。
テスラが、そのWaymoと並ぶかそれ以上のシェアを獲得することはできるのか。ただし他社の車両に自社開発の自動運転システムを搭載した自動運転車を展開しているWaymoに対し、テスラは車両も自動運転技術開発も自前で行うことができるのが強みだ。
安全性を確保しドライバーレスでのロボタクシー運用のフェーズに入れば、車両の投入ペースは一気に進むかもしれない。今後10年のテスラに注目したい。
【参考】関連記事としては「テスラ向け自動車保険、「自動運転中」は半額に」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)