テスラが「広告ゼロ」をやめていた!Xで自動運転ソフトを宣伝

イーロン・マスク氏の影響力に限界?

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出典:Dunk / flickr (CC BY-SA 2.0 DEED)

米EV(電気自動車)大手テスラは、大々的な広告を出さない企業として知られていた。CEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏の影響力やSNSでの口コミなどを通して、自社製品を広く知らしめることに成功していたためだ。

しかし最近、その広告戦略を大幅に転換し、積極的に広告を打ち出すようになったという。X(旧Twitter)では、同社の機能「Full Self-Driving(FSD)」の広告が何度も目撃されていると、フォロワー100万人超えのXユーザーが報告している。(https://x.com/SawyerMerritt/status/1993440368541757758

テスラがこれまでの方針を変え、「広告を出す普通の会社」になったのか、考察する。(記事監修:自動運転ビジネス専門家 下山哲平)

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■マスク氏の言動は広告代わりだった

これまでのテスラは、広告を必要としない企業とも呼べる存在であった。CEOのマスク氏が積極的かつフレキシブルにXなどのSNSを活用して、同社の新製品や開発状況などの情報をタイムリーに発信してきたからだ。一般消費者のほかメディアやプロの投資家なども、マスク氏のSNSをフォローさえしていれば常にテスラの最新動向を得ることができていた。

そしてテスラは、広告を打たないことで浮いた多額の資金を最新技術の研究開発費に充てており、この戦略は大きな成果をもたらしていた。また他のEVメーカーが広告を出すことで、テスラも恩恵を受けるといった側面もあったようだ。

■実は2024年から戦略見直し

広告を打たないという戦略で成功してきたテスラ。しかし2023年以降はその方針に対する投資家やアナリストの意見に、変化が見られてきたようだ。ここ数年の同社の決算説明会などでは、これまでマスク氏一辺倒に頼ってきた広告戦略について見直しを求める声が出てきていた。

テスラのコアなファンは多数いて大きな支持を受けてはいるものの、それだけでは不十分であることが分かってきたためだ。主に米国や中国のEVメーカーが台頭してきており、長年世界のEV市場でトップをキープしてきていたテスラの地位が危うくなりつつある。特に中国のBYD(比亜迪)の成長は目覚ましく、2025年には販売台数でテスラを抜いて初の世界首位となる見通しである。

テスラは元々の同社のファンだけでなく、一般にも同社の製品に関する情報を周知するため、プロモーション活動を積極的に行う必要があると判断したようだ。

ちなみにマスク氏は過去に、「広告を出すと言った通り、すでに小規模では実施している。どの方法が最も効果的か分かってきたら、さらに大規模に展開していくつもりだ」と回答しており、すでに広告を展開していたことは確かだ。

■広告効果で他社に勝つ?

現時点で、テスラは競合他社が行なっているようなテレビCMを行うなど、ネット広告以外の媒体にも積極的に対象を広げるということはしていないようだ。

テスラの最新技術を集結させたADAS(先進運転支援システム)「FSD」は、今後のテスラにとって最も重要な製品だ。有料でのFSD契約数を拡大することはマスク氏とテスラにとっての使命とも言える。その達成のため、ある意味プライドを捨てて広告を打っていく構えなのか。

【参考】関連記事としては「テスラ、ロボタクシーでも「広告費ゼロ」継続か」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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