自動運転タクシー(ロボタクシー)サービス開始が間近に迫る米EV(電気自動車)大手テスラだが、サービスを開始する地となるテキサス州の民主党議員らが登場している。
安全性確保や市民のテスラへの信頼構築がまだ整っていないという理由からで、自動運転車に関する新しい州法が施行される9月までは、ロボタクシーの運行をしないよう求めるといった内容になっている。
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■議員がテスラに求める内容とは?
テスラは近くテキサス州オースティンでロボタクシーサービスを暫定的に開始予定だ。しかし同州の7人の民主党議員は、ロボタクシーの運行を延期するよう求めている。民主党のSarah Eckhardt上院議員がX(旧Twitter)で公開した書簡には、下記のように記されている。
「テキサス州上院および下院のオースティン選出議員として、我々はテスラに対し、新法が2025年9月1日に施行されるまで、ロボタクシーの運行を延期するよう正式に要請する。これは公共の安全、そしてテスラの運行に対する市民の信頼構築、両方の観点から最善の判断だと我々は考えている」
新しい法律とは、自動運転車に関する従来のテキサス州のガイドラインを改正するもので、自動運転車の運行者がテキサス州の車両管理局(DMV)から事前に認可を受けることを義務付けている。なお認可を得るためには、企業は下記の条件を満たす必要があるようだ。
- 州の交通法規を遵守して車両が運行できること
- 記録装置を装備していること
- 連邦基準を順守していること
- 適切に登録および保険加入がされていること
- 自動運転システムが作動しなくなった場合でも「最小限のリスクしかない状態」を実現できること
■初の実用化に慎重になるテスラ
ロボタクシーの提供開始は、テスラにとって長年の悲願達成になる。ただし最初から完全自動運転を行うのではなく「最も安全とされる特定エリアのみ」から運行を始めることが明らかになっている。
マスク氏は「我々は、その交差点でうまくやれるという確信が持てない限り、交差点を通らないし、その交差点を回避するルートを取る」と述べ、「ロボタクシーの運用について極めて慎重になるつもりだ。慎重にならない方が愚かだ」と、いつになく用心深い姿勢を見せている。
テスラのソフトウェア「Full Self Driving(FSD)」には、「FSD Supervised(監視付き)」と「FSD Unsupervised(監視無し)」の2つのバージョンがある。
同社はオースティンでの「極めて慎重」なアプローチの1つとして、SUV「Model Y」にFSD Unsupervised(監視無し)を搭載した約10台の自動運転車両を、社員が遠隔で監視する予定だ。
ただしセーフティドライバーは同乗せず、ドライバーレスでの運行となる。
【参考】関連記事としては「テスラの自動運転(Autopilot, FSD)とロボタクシー計画を徹底解説」も参照。
■サービスをスタートする場合は・・・
もしテスラが予定通りロボタクシーサービスをスタートする場合、テキサス州の議員らは同社に対し「オースティンでのドライバーレス運転開始時点で新法に準拠していることを示す詳細な情報」を書簡にし、回答するよう求めている。
トランプ大統領とも袂を分かち、形勢が不利になりつつあるマスク氏率いるテスラから、目が離せない状況が続く。
【参考】関連記事としては「テスラのロボタクシー、「どこでも自動運転」戦略を断念」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)