タクシー配車回数、準大手の米リフトに「Googleの自動運転サービス」が追いつく?

VC関係者、サンフランシスコのデータ公開

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VC(ベンチャーキャピタル)関係者がXに投稿したある内容が話題になっている。Google系の自動運転開発企業Waymoによる自動運転タクシーの配車回数が、米カリフォルニア州サンフランシスコではライドシェア準大手のLyft並みになっているというものだ。

Waymoの配車回数は、ライドシェア最大手のUberにも追いつく勢いだという。この投稿に対し、LyftのCEO(最高経営責任者)は反論している。

2018年に世界で初めて自動運転タクシーの商用化を実現したWaymoは、サンフランシスコのほか米アリゾナ州フェニックスなどでドライバーレスの自動運転タクシーサービスを展開している。

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■Waymoの配車がLyftより多い根拠とは?

今回の投稿をしたのは、シリコンバレーに本社を置くVC「アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)」の成長投資チームのパートナーであるAlex Immerman氏だ。サンフランシスコの運行範囲での乗車データを基に説明している。

▼Alex Immerman氏のXでの投稿
https://x.com/aleximm/status/1867257473671082356/photo/1

Immerman氏はXで、サンフランシスコでWaymoのシェアがLyftに並ぶようになったと語っている。2023年8月にWaymoがサンフランシスコでサービスを開始した時点では、Uberは66%、Lyftは34%のシェアであった。15カ月後の2024年11月には、WaymoのシェアがLyftと同じ22%になり、Uberは55%に減少したという。

出典:X / Alex Immerman(https://x.com/aleximm/status/1867257473671082356/photo/1)

Waymoの自動運転タクシーの登場により、UberとLyftはシェアを10ポイント以上失った。特に大きく影響を受けたのはLyftで、シェアの約3分の1を失ったことになる。Uberは約6分の1の減少にとどまった。

WaymoがUberやLyftより待ち時間が長いと言われていることについては許容範囲内であり、Waymoの清潔で快適な車両や静かな乗車体験といった優れたサービスが、ユーザーにとって魅力的な部分だとしている。今後Waymoがさらに多くの自動運転車両を投入し、待ち時間をUberやLyftと同等に短縮できるのなら、市場シェアはさらに拡大する可能性があると結論づけている。

■LyftのCEO、シェアは減っていないと反論

Immerman氏の投稿に、LyftのCEOであるDavid Risher氏は異を唱えている。サンフランシスコでのLyftの市場シェアの減少に関する懸念が、過剰に強調されている可能性があるという内容だ。サンフランシスコはライドシェア市場が成長しているエリアであり、Waymoの登場後もLyftのシェアは依然として強いままだとXに投稿している。

Risher氏によると、サンフランシスコでのWaymoのODD(運行設計領域)において、2024年11月のLyftのシェアは30.6%であった。2023年11月は30.7%であったことから、決してシェアが減少したというわけではないという。このデータは、Lyftの検証済み外部データソースによるものだと付け加えている。

■「比較データは完全ではない」という指摘も

今回のサンフランシスコでのシェアの件について、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアナリスト達は、WaymoとLyftを比較した第三者による市場シェアデータは、都市への移動や高速道路の利用を除外している点を指摘している。これらは市場の重要な部分を占めているため、WaymoとLyftなどとの比較データは完全ではないとしているようだ。

アナリストらは、「我々の見解では、Waymoがサンフランシスコで需要の増加を生み出したとしても、Lyftは堅実な成長を見せている」とも語っている。そして、UberやLyftは全国規模でサービスを展開しており、Waymoがトップ20の主要都市圏(MSA)に到達するには数年を要し、またパートナーシップを結ぶ時間も多く必要であるとも指摘している。

そのため従来のライドシェアについては、サンフランシスコで依然として2桁の成長を見込んでいると予測している。

■すでにシェア争いが激化しつつある米国

VCのパートナーとLyftのCEO、両社の参照しているデータが異なり、各社のシェアに関する判断は現時点では難しい。ただし、日本では自動運転タクシーの商用化はまだ実現していないが、米国ではすでに人間の運転によるタクシーやライドシェアと顧客獲得競争を繰り広げるまでになっていることは確かだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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