EV(電気自動車)大手の米テスラが、「全車に完全自動運転ハードウェア搭載」といった内容のブログを削除して話題になっている。米メディアが報じた。
同社は最近、自社ブログを整理し2019年以前の投稿を全て削除した。削除された中には、「All Tesla Cars Being Produced Now Have Full Self-Driving Hardware(現在生産されている全てのテスラ車には、完全な自動運転ハードウェアが搭載されている)」というタイトルの投稿も含まれる。
今回のブログ削除は単なる過去分の整理なのかもしれない。しかし現状、テスラ車で自動運転化が実現していないことを考えると、「過去に投稿された『全てのテスラ車には完全自動運転ハードウェアが搭載されている』というのは嘘だったの?」と勘ぐりたくなる人も出てきそうだ。
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■削除されたブログ記事
2024年8月23日までは、テスラの公式サイトには過去のブログ記事も全て掲載されていたという。しかし翌24日には、2019年以前の投稿が全て削除された。
削除されたブログには、2016年10月19日に公開された「全てのテスラ車には完全な自動運転ハードウェアが搭載されている」といった内容の投稿のほか、「The Secret Tesla Motors Master Plan (just between you and me)(テスラの秘密のプラン、ここだけの話)」や「Roadster Efficiency and Range(ロードスターの効率と航続距離)」というトピックも含まれる。
テスラの車両全てに自動運転ハードウェアが搭載されている件については、公式X(旧Twitter)でも「All Teslas in production now have Full Self-Driving hardware, this will include Model 3」(現在生産されている全てのテスラ車には完全自動運転ハードウェアが搭載されており、これにはモデル3も含まれる」と2016年10月19日に投稿されている。
All Teslas in production now have Full Self-Driving hardware, this will include Model 3 https://t.co/5yUAsEKfT7
— Tesla (@Tesla) October 20, 2016
つまり2016年10月時点でのテスラ車には自動運転に対応するハードウェアが搭載されており、実際に自動運転走行するためにハードウェアをアップデートをする必要はないと解釈した人が多かった。そして、自動運転化はすぐに実現すると期待されていた。
■実際のテスラの自動運転化はどうなってる?
テスラは2014年10月に、デュアルモーターを搭載した最新のモデルSにADAS(先進運転支援システム)である「Autopliot(オートパイロット)」を可能にする標準ハードウェアを導入すると発表した。ソフトウェア更新で将来さまざまなアクティブセーフティ機能を提供可能というものだ。
2019年9月には、ソフトウェア「バージョン10.0」を発表し、拡張版オートパイロットの新機能として「Smart Summon」のベータ版の提供をスタートした。この機能は、専用駐車場や私有地で駐車中の車両を呼び寄せることができるといったものだ。数十メートル離れた位置から操作可能で、駐車場内における自動運転レベル4の技術として話題を集めた。
また2020年10月からは、一部のオーナーを対象に「Full Self-Driving(FSD)」β版の提供を開始した。「Full Self-Driving(完全自動運転)」という名称から勘違いされがちだが、現状はレベル2のADASにとどまる。一般的にレベル3以上を自動運転車と呼ぶため、自動運転化にはまだ遠い状態だ。
FSDは有料で利用でき、技術の進化に合わせてOTAでアップグレードし、自動運転に徐々に近づけていく計画だ。テスラのCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏はたびたび「自動運転は近く実現する」といった発言をしているが、同社から自動運転車が発表される様子はいまだない。
【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?定義を表で解説!日本・海外の実用化状況(2024年最新版)」も参照。
■10月に自動運転タクシー発表予定
テスラは元々、2024年8月8日に自動運転タクシーを発表する予定であった。しかしそれを10月に延期している。発表予定の自動運転タクシー「Cybercab」のプロトタイプのデザイン変更などに時間を要するためという理由からのようだ。
今回テスラの自動運転ハードウェアに関する過去のブログ記事が削除したのには、何か意味があるのだろうか。憶測を呼んでいるが、まずは予定通り自動運転タクシーを発表し、同社の自動運転技術開発が順調に進んでいたことを証明してほしい。
【参考】関連記事としては「テスラの自動運転技術・Autopilot/FSDを徹底分析(2024年最新版)」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)