家具商社も参入!自動運転市場、ビジネスチャンスは無限大

関家具、無垢木材使用シートを供給

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出典:関家具プレスリリース

家具の総合商社である株式会社関家具(本社:福岡県大川市/代表取締役社長:関正)が開発したシートがこのほど、新型自動運転モビリティに採用された。

久留米工業大学、同大学発のベンチャーLe DESIGN、パーソルクロステクノロジーが開発した観光向け新型自動運転モビリティ「PARTNER MOBILITY ONE」向けに、専用開発した無垢木材を使用したシートを供給するという。

広がりを見せる自動運転市場。こうしたニュースからも、さまざまな業界の企業に新規参入のチャンスがあることが分かる。

■自動運転モビリティに無垢材シートを供給

PARTNER MOBILITY ONEは複数人乗りの小型自動運転モビリティで、2015年から久留米工業大学インテリジェントモビリティ研究所が研究開発と実証試験を進めてきた対話型AI自動運転システム「Intelligent Mobility System」を搭載している。

大型テーマパークやショッピングモール、空港、駅、介護施設、医療機関などでの利用を想定しており、利用者が専用アプリで呼び出すと迎えに来て、行き先を伝えると自動運転で目的地まで案内するという仕組みになっている。2~3人で同時に乗車でき、xRやプロジェクションマッピングなどと連動した新たな観光ガイドも行うこともできるという。

これにシートを供給したのが、久留米工業大学と同じ筑後地区の企業である関家具だ。「テクノロジーとクラフトマンシップの融合」をコンセプトに、「人にも優しい使い心地」を目指し、座面シートと背もたれ部分を専用開発した。同社が展開する一枚板ブランド「アトリエ木馬」の職人がトチの木から削り出し、加工、仕上げを施している。

出典:関家具プレスリリース
■「移動時間=自由時間」という変革

自動運転という将来有望な市場にアプローチできるのは、自動車関連企業に限らない。

たとえば、これまでは自動車に1人で乗る場合は運転に時間を取られていたわけだが、自動運転車が実現すれば「移動時間=自由時間」となり、映画鑑賞やゲーム、読書、食事などさまざまなことができるようになる。移動するプライベート空間として、エンタメ関連のビジネスチャンスは大きい。

例えば、カラオケ機器メーカーが車内向けのカラオケツールやコンテンツを展開するといったことも考えられる。あるいは移動時間を休息や疲労回復に充てたいという層を狙い、寝具メーカーが快適に眠れる車内向けのベッドを開発したり、医療機器メーカーがモビリティ専用のマッサージチェアを考案したりするかもしれない。

エンタメか休息か、用途によって求められる車内環境も違ってくる。映画やゲームなどモニターを重視すれば、車内全面をディスプレイとしたモデルも検討されるだろう。しかし、家族や恋人と一緒に車窓から美しい風景や星空を眺めるといった場合には、全く違うデザインが必要だ。また、車窓に映像を表示して実際の景色に重ね合わせる車窓XRも開発が進んでいる。

【参考】関連記事としては「車窓XR!これ自動運転時代にぴったり」も参照。

■自動運転市場の潜在的チャンスに注目を

運転手がいなくてもいいという状況を前提に、全く新しいデザインのモビリティが作り出されている。いずれはペダルやハンドルなどもなくなり、車内デザインの自由度はどんどん高まるはずだ。

通信や各種メーカーはもちろん、飲食や福祉、教育などあらゆる業界に新規ビジネスを生むチャンスがある。「自分の会社はまるで分野が違うから関係ない」と思っている企業も、参入の余地がないかアイデアを練り、さまざまな角度から検討してみることが重要ではないだろうか。自動運転市場の潜在的なチャンスに注目してほしい。

【参考】関連記事としては「自動運転車の市場調査・レポート一覧(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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