安全な「空の道」を提供!トルビズオンが株式投資型クラファンを実施へ

ドローン空路整備サービス「S:ROAD」を展開



出典:FUNDINNO募集ページ

ドローン関連事業を手掛ける株式会社トルビズオン(本社:福岡県福岡市/代表取締役:増本衛)は、2023年12月2日から株式投資型クラウドファンディングサービス「FUNDINNO(ファンディーノ)」にて、募集による投資申込みの受付を開始する。

同社は、安全な「空の道」を提供するためのドローン空路整備サービスや、ドローンビジネスコンサルティング、ドローンオペレーター育成といった事業を展開している企業だ。


今回のクラウドファンディングでの資金調達により資本力の充実を図り、サービスのさらなる向上および事業の拡大につなげるとしている。

■空のシェアリングエコノミーサービスをつくる企業

トルビズオンは、ドローン航路の真下にいる土地所有者とドローンを飛ばす事業会社をつなぐことにより、事前調整を経た上で真の意味での「空の自由化」を目指し、世界中の空を利用可能にすることをミッションとしている企業だ。「空のシェアリングエコノミーサービス」を提供するため、サービスの基幹となる技術についてはビジネスモデル特許を取得しているという。

同社のコンセプト「sora:share(ソラシェア)」は、土地所有者がその上空を他者がドローンを飛行させることに対し、同意の可否を選択し、希望する場合は収益化が可能になるということを意味する。

出典:トルビズオン公式サイト
■ドローン空路整備サービス「S:ROAD」とは

トルビズオンが提供するドローン空路整備サービス「S:ROAD」は、上空をドローンが飛ぶことによる不安を解消し、ドローン飛行の合意が取れている空域を可視化することで、ドローンの円滑な航行を可能にする仕組みだ。これにより、第三者上空の飛行を必要とする、物流やセキュリティなどを目的としたドローン利活用を促進することが可能になる。


具体的には、コア技術となる空に住所をつける特許技術「スカイドメイン」を利用し、土地所有者の合意を得ている地点をつなぎ合わせる。それにより作られる「空の道」を、S:ROADのシステムにて利用することにより、安心・安全なドローン飛行を可能にする。

S:ROADでは、多くのドローンに対応しているKMLデータの形式を用いて飛行ルートのダウンロードができる。そのため自動飛行による物流や点検における空の道としての利用に強みがあるという。また、飛行データは全て飛行ルート下の土地所有者や管理者の飛行合意を得ており、飛行ルートにおけるリスクアセスメントも実施しているため、飛行における調整工数を削減することを可能にしている。

なおスカイドメインは、空に住所を作り、空域に関する情報データベースと紐づける技術で、日本と米国において特許を取得済みだ。


■「FUNDINNO」で募集、上限応募額は5,994万円

今回のクラウドファンディングは、FUNDINNOにて募集が行われる。募集期間は2023年12月2日~2024年12月15日で、上限応募額は5,994万円となっている。1口9万円、1人5口まで。

今回の募集ページではトルビズオンについて、「GoogleやAmazon Web Services(AWS)から支援され、実証実験や提携の進展等急成長の基盤となった」という強みが紹介されている。

同社はGoogleやAWSなどの米大手IT企業から主にシステム開発および広報・マーケティング領域におけるサポートを受けており、スタートアップ企業を支援する「Google for Startupsクラウドプログラム」にも採択されている。

また「『S:ROAD』は地域・住民の合意が取れた空域をつなげて「空の道」を形成。ドローン事業者へ安全かつ最適な飛行ルートを提供し、マネタイズ」、「『スカイドメイン』は、XYZ座標等空域をデータ化するコア技術で日米で特許を取得。空飛ぶクルマへの応用を狙う」といった点も強調されている。

■前回は30分で上限到達を達成

トルビズオンは、2021年9月にもFUNDINNOでの募集による投資申込みの受付を開始しており、その際は約30分で上限到達を達成したようだ。

前回からの進捗として、プロトタイプとして運営していた個人向けサービス「スカイマーケット」は提供を停止し、ドローン事業者を対象とした法人向けサービスであるS:ROADを本格的に運営する方針に転換したことが説明されている。

また前回募集時点で10本だった空路の数を、NEXCO西日本や損害保険ジャパンなど30社以上と、20以上の自治体と連携し、100本以上の空路を構築したという。さらに物流市場での事業成長も狙い、2027年をめどに全国約2,290エリアの空路の構築を計画しているという。

■ドローン周辺ビジネスも白熱化

トルビズオンは今後、人材を強化し、空路整備の本数を増やしていく意向だ。また海外展開や、データベースをブロックチェーンで管理することも視野に入れているようだ。

世界で開発が加速するドローンだが、その周辺ビジネスも盛り上がってきている。空の道を作り出すという切り口で事業展開に取り組む同社。将来性が期待される。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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