中国の空飛ぶクルマ開発大手EHang(イーハン)は2023年10月23日までに、eVTOL(電動垂直離着陸機)「EH216-S」の型式証明書を中国民用航空局(CAAC)から正式に取得完了したことを発表した。
これにより、同機は実用化に向けて前進したことになる。
■空飛ぶクルマ開発のリーディング企業
2014年に中国の広州で設立されたEHangは、自動運航有人ドローンやeVTOLを開発しており、同国のエアモビリティ開発における代表格と言える企業だ。
2016年に、世界初の空飛ぶタクシー用機体として1人乗りのマルチローター機「Ehang 184」を発表した。2020年5月には、世界で初めてCAACからeVTOL(電動垂直離着陸機)の商用パイロット運用の許可を取得している。
なお同社の機体はスペイン警察にも採用されており、公的な警備任務や緊急事態への対応を目的に2022年12月から試験運用を開始した。
■そもそも「型式証明」とは?
型式証明は、機体の設計について各国当局が審査・検査し、安全性や環境適合性の基準を満たしていることを証明する制度だ。日本においては国土交通省が担当している。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマ、審査申請4件目は「英国機」!日本の空を制すのは?」も参照。
■日本ではAirXが販売パートナーに
EHangは、日本においてはエアモビリティ関連事業を手掛けるAirXと2022年1月に販売パートナー契約を締結し、日本国内におけるプレセールスを行なっている。2023年3月には、一般社団法人MASCにプレオーダー機体の納入を完了したことを発表した。
また同年6月には、AirX所有の「EH216」を用いての沖縄県伊平屋島での離島間における海上試験飛行に成功した。
AirXは今後、CAACで型式証明を取得したノウハウを展開し、日本での型式証明取得と商用運航の実現を目指すという。引き続き、取り組みをウオッチしていきたい。
【参考】関連記事としては「中国製の空飛ぶクルマ、日本で仕入れ・納入!AirXが発表」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)