トヨタ、中国で自動運転開発に本腰!拠点集約で「知能化」推進

先進技術開発をIEM by TOYOTAで加速

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トヨタ自動車は2023年8月3日までに、中国市場での競争力強化に向けて5つの施策を実施し、「知能化」「電動化」の現地開発をさらに強化することを発表した。

それぞれの施策については後述するが、「知能化」については、より中国の実情にあった自動運転・先進安全機能の現地設計・開発などを推進するという。

■競争力強化に向けた5つの施策

中国市場での知能化・電動化技術の現地開発強化に際しての取り組みの1つ目は、中国トヨタ最大のR&D拠点「トヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社」を、8月1日付で「トヨタ知能電動車研究開発センター(中国)有限会社」=IEM by TOYOTA=に改称することだ。

2つ目は、中国での合弁会社のR&D拠点3カ所のエンジニアなどをIEM by TOYOTA主導の開発プロジェクトに投入する。

3つ目は電動化に関してで、マルチパスウェイを軸にしたカーボンニュートラルを実現するために、電動車全般の現地開発を強化する。組織の垣根を越え、デンソーとアイシンもIEM by TOYOTAに参画し、電動パワートレーン開発を加速するという。

そして4つ目が冒頭に触れた知能化についてだ。自動運転・先進安全機能の現地設計・開発を推進するほか、空間設計やAI(人工知能)活用を通じたよりよいユーザーエクスペリエンスのためのスマートコックピットの開発にも力を入れていくという。

5つ目は電動化・知能化の両方に関連するもので、競争力強化に向け、「現地サプライヤーの開拓」「部品設計の見直し」「生産技術・製造モノづくり改革」の3分野での取り組みを通じ、製造コストの大幅削減を目指す。

■トヨタが目指す「3つの知能化」

トヨタが使う「知能化」というワードについてだが、主にクルマ関連のソフトウェアやシステムの高度化を指す。トヨタが2023年4月に行った新体制方針説明会によると、知能化は大きく分けて「クルマの知能化」「サービスの知能化」「社会の知能化」に分類することができると説明している。

▼新体制方針説明会|トヨタ自動車
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/39013179.html

クルマの知能化では、先進安全技術やマルチメディアなどの時代進化に合わせた機能のアップデートを、全てのクルマを順次対象とし、次世代バッテリーEV(電気自動車)では、車両OSの進化と共に「乗り味」のカスタマイズも可能にするという。

サービスの知能化は、クルマがインフラや街とつながり新しいサービスを提供することだ。リアルタイムの交通情報を活用し輸送効率を高める物流システムや、最適なエネルギーマネジメントを行うシステムなどの社会実装や、街や公共施設と連携し、人々の暮らしを支える多様なサービスの提供を行う。

また社会の知能化では、建設中の実証都市「Woven City」において、人、クルマ、社会をつなげるさまざまな実証実験を行っていくという。

■中国企業と本格的な技術開発競争

中国では、自動運転ベンチャーWeRide(文遠知行)やPony.ai、IT大手の百度(Baidu)がすでに自動運転車の実用化を進めている。

これまでハードウェアの面からクルマの生産をリードしてきたトヨタだが、自動運転技術の面でも優位に開発競争を進めていけるか、注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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