トヨタ、次世代車載OS「アリーン」を2025年実用化へ

ソフトウェアが「進化のスピード決める」



トヨタが次世代車載OS「Arene(アリーン)」の実用化の目標が「2025年」と設定していることが明らかになった。同社のモビリティ技術を開発する子会社「ウーブン・バイ・トヨタ」のプレスリリースから判明した。


なおAreneの次世代BEV(純電気自動車)への搭載は、2026年を目標にしているという。

■車両のさまざまな機能をAPIの形で

ウーブン・バイ・トヨタが手掛けるAreneは、車両のさまざまな機能をAPIの形で利用可能にし、各種車両プログラムを容易に設計、構築、テスト、実装できるオープンなプラットフォームと位置づけられている。

市場投入により、車種や搭載システムごとに分かれていたソフト基盤を共通化することで、さまざまな機能の開発・高度化が容易になり、効率化できる。また、Areneをトヨタのハードウェアプラットフォームと組み合わせることにより、新車開発のスピードアップとコスト削減を実現することができるという。

■「モビリティの価値を拡大させる」

ウーブン・バイ・トヨタは、2023年4月1日にウーブン・プラネット・ホールディングスから社名変更した。Areneのほか、トヨタの実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」や自動地図生成プラットフォーム「AMP(Automated Mapping Platform)」の開発などを手掛けている。グローバル投資ファンド「Woven Capital(ウーブン・キャピタル)」も、ウーブン・バイ・トヨタの部門の一部だ。


2023年4月7日のトヨタの新体制方針説明会を受け、「トヨタの先進的なBEVを含む次世代車の開発と、誰もが自由に、楽しく、快適に移動できるモビリティ社会の実現に貢献」していくことをこのたび宣言している。

ウーブン・バイ・トヨタの代表取締役CEOであるジェームス・カフナー氏は、「ソフトウェアは、モビリティ社会の実現に向けた私たちの進化のスピードを決める大切な要素であり、当社は重要な役割を担っています」とした上で、「私たちの先進的なソフトウェアプラットフォームは、トヨタが、次世代BEV開発に加え、生活のあらゆる場面でモビリティの価値を拡大させることを可能にします」とコメントしている。

■Woven Cityについては予定通り

ちなみにこのプレスリリースでは、Woven Cityについては、既報の通り、第1期工事が2024年夏に竣工の予定で、実証実験の一部は2025年に開始する予定だとされている。引き続き今後の動きに注目していきたい。

【参考】関連記事としては「自動運転部門のWoven、ついに社名を「トヨタ」へ!」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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