超有望LiDARベンチャーInnoviz、日本企業Kudanとパートナーに

ダイナミックな環境マッピングを可能に

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LiDAR開発を手掛けるイスラエル企業Innoviz Technologies(イノヴィズ・テクノロジーズ)と、人工知覚(AP)技術などを開発する日本企業のKudan株式会社(本社:東京都渋谷区/代表取締役CEO:項大雨)が、LiDARベースの地理空間マッピングソリューションに関するパートナーシップを締結した。2022年11月3日までに発表された。

Innovizは、フォルクスワーゲン(VW)グループから40億ドル(約5,850億円)もの先行受注を獲得している。また、詳細は明らかにされていないが、アジア圏の自動車メーカーとも大きな契約をしているようだ。

そんな中、今回、InnovizとKudanが手を組んだことで、今後のどのような展開に結び付くのか気になるところだ。

SLAM技術向上のための提携

両社は、SLAM技術を活用した3Dデジタルマッピングソリューションに対する需要の高まりに対応するため提携した。SLAMとは「自己位置推定」と「環境地図作成」を同時に行う技術のことだ。

【参考】関連記事としては「SLAMとは?位置特定と自動運転地図の作成を同時に」も参照。

InnovizのLiDARスキャンとKudanの知覚ソフトウェアを組み合わせることで、正確かつ高密度でカラー化された3Dの点群生成によるダイナミックな環境マッピングを可能にするという。

これにより、HDマップやロボティクス、建設、測量、デジタル・ツインニング、産業用メタバース向けアプリケーションといった幅広い用途でソリューションを活用することが可能になるようだ。

■今後が有望視されているInnoviz
出典:Innoviz公式サイト

Innovizは、イスラエルのテルアビブを本拠としている。イスラエル国防軍(IDF)やSTマイクロエレクトロニクスなどでエンジニア経験があるOmar David Keilaf最高経営責任者(CEO)らによって2016年に設立された。

「自動運転の目」と呼ばれるLiDAR技術に強みがあり、2021年にはBMWの自動運転レベル3の車両での採用が決定したほか、2022年には日本郵便が道路のデジタル化にInnovizのビジョン技術を採用することを発表している。

そして冒頭で紹介したアジア圏を拠点とする自動車メーカーと大型契約に関しては、「相手がトヨタ自動車ではないか」と注目を集めている。トヨタが契約先なら、大きな収益源を開拓できたことになる。

Kudanとのパートナーシップも通じ、Innovizの日本展開が今後加速していくだろうか。

▼Innoviz Technologies公式サイト
https://innoviz.tech/

【参考】関連記事としては「LiDARをトヨタへ?Innovizが「アジアの車会社」と大型契約」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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