中国WeRide、中東で「完全無人の自動運転バス」実証!レベルは「4」

サウジアラビアの首都リヤドで実施

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出典:WeRideプレスリリース

中国の自動運転ベンチャーWeRide(文遠知行)はこのほど、中東で初の完全ドライバーレスでの自動運転バスの試乗会を、サウジアラビアの首都リヤドで行った。サウジアラビアのAI(人工知能)企業であるSCAIと組んで実施したという。

WeRideはアラブ首長国連邦の首都アブダビでも自動運転タクシーの実証実験を行っており、事業拡大に向けた重点地域の1つに中東を据えているようだ。

■AIサミットで自動運転バスのレベル4実証

自動運転バスの試乗会は、リヤドで開催された「2022 Global AI Summit」にて2022年9月19〜22日に実施された。WeRideが開発に注力している自動運転レベル4にて行ったようだ。

【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?定義・呼称・基準は?(2022年最新版)」も参照。

WeRideの共同創業者兼CTO(最高技術責任者)であるYan Li氏は「リヤドは技術イノベーションに満ちた都市であり、自動運転はスマートシティのエコシステムにおいて重要な役割を果たすだろう」と強調。さらに「ロボバスの運行はリヤドとWeRideの双方にとって非常にエキサイティングな探求だ」と語った。

WeRideの自動運転バスは、中国の商用車メーカーであるYutong(宇通)と共同開発されたものだ。ハンドルやアクセル、ブレーキペダルがない車両となっている。

自動運転機能はWeRideが開発しており、3メートル以内の物体を検知できるLiDARと360度死角なしの画像をキャッチするHDカメラ、他車との距離・速度・方向を高精度に測定可能なミリ波レーダーなどで構成されているようだ。最高時速は約40キロだという。

出典:WeRideプレスリリース
■世界展開を加速させるWeRide

2017年設立のWeRideは中国広州に本社を置き、中国各地と米サンノゼに拠点を持っている。2020年7月に広州で完全無人の自動運転タクシーの実証をスタートさせ、さらに2021年4月には米カリフォルニアでセーフティドライバーなしの自動運転車の公道試験許可を得ている。

2022年5月には自動車部品大手の独ボッシュと戦略的協定を締結したことが発表され、9月には中国の広州市で低速走行する無人清掃車を稼働させたことも話題になった。最近では、米国または香港においてIPO(新規株式公開)を検討していることも報道された。

中国のほか米国や中東でも展開を加速し、存在感を高めているWeRide。中国の自動運転シーンを牽引する企業の1社であり、今後も同社の取り組みは広く注目を集めそうだ。

▼WeRide公式サイト
https://www.weride.ai/en/

【参考】関連記事としては「「Slowな自動運転」でマネタイズ!中国で無人清掃車が稼働」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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