トヨタ自動車とトヨタ不動産、トヨタアルバルク東京の3社が、次世代アリーナを建設し、「TOKYO A-ARENA PROJECT」を推進することをこのほど発表した。
このアリーナは東京都江東区青海にあったトヨタのショールーム施設「メガウェブ」の跡地に建設され、B.LEAGUE1部に所属するアルバルク東京のホームアリーナとしても利用されるようだ。
詳しくは後述するが、自動運転ラボとして注目したいのは、TOKYO A-ARENA PROJECTの重点テーマの1つに、「未来型モビリティサービス」が掲げられている点だ。
■約1万人収容、2025年秋開業予定
「TOKYO A-ARENA PROJECT」のコンセプトは「可能性にかけていこう」で、スポーツ、モビリティや、サスティナビリティなどの領域において、多様なパートナーと協力しながら、さまざまな可能性が解き放たれる場になることを目指している。
敷地面積は約2万7,000平方メートルで、収容人数は約1万人だ。2025年の秋ごろ開業予定だという。開業に向けトヨタは、新アリーナへの技術・サービスの提供や共同開発をはじめ、新アリーナへの協賛や興行利用に関心のあるパートナーを募集している。
トヨタの豊田章男社長は「今回の新たなアリーナの計画には私どもの2つの想いを込めました。1つは、『スポーツ/アスリートへの感謝』です。そしてもう1つは『可能性へ挑戦する人をサポートし続けたい』という想いです」とメッセージを寄せている。
■テーマに「未来型モビリティサービス」
そして冒頭でも触れた通り、「TOKYO A-ARENA PROJECT」の重点テーマの1つに、「未来型モビリティサービス」が掲げられている。アリーナ内はもちろん、街の移動も便利にすることで、より多くの人が気軽にアリーナに訪れられるよう構想中だという。
モビリティとテクノロジーをかけ合わせることで、アリーナでの観戦体験をより便利で楽しくするよう計画している。観客席にドリンクやフードを運んだり、モビリティそのものがグッズショップや未来型のフードトラックになったり、人やモノ、情報を移動させる技術・サービスを存分に生かしていくようだ。
具体的には「スポーツ応援シャトル」や「モビリティ海鮮市場」、「誰でもアリーナ」などが紹介されている。スポーツ応援シャトルは、アリーナへの移動時間も試合のワクワクを感じられるエキサイティングな体験に変えていくために現在構想中だという。
モビリティ海鮮市場は、朝どれの鮮魚をアリーナに直送し、仕入れから調理まで1台でまかなえるモビリティだ。アリーナに来た人に旬の海鮮丼を提供する。誰でもアリーナは、より多くの人が便利で快適にアリーナへ来られるようなモビリティだ。アクセスしやすい環境作りを行う。
■恐らく「自動運転車」が使われるはず
こうしたモビリティに関する説明では、いずれも「自動運転」というワードは出てこないものの、スポーツ応援シャトルやモビリティ海鮮市場などはイラストを見る限り、運転席がない車両を用いているため、恐らく自動運転車だと考えられる。
トヨタは現在、e-Palette(イーパレット)などの自動運転車を開発しており、恐らくこうした車両で開発中の技術を活用した新たなモビリティを展開するのではないか。
ちなみに、新たな情報発信の拠点になるよう、最新モビリティの展示やモビリティ関連のイベント開催、MICE招致も検討しているようだ。未来のモビリティサービスに触れ、実験や体験ができる場所を目指していくという。
■ウーブン・シティとともに要注目
トヨタが新たに手がけるTOKYO A-ARENA PROJECT。現在トヨタが建設中のコネクティッドシティ「Woven City(ウーブン・シティ)」とともに、最先端モビリティを展開する場として、注目が高まりそうだ。
【参考】関連記事としては「Woven City、第1期は2024年開業か 初期住民は360人」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)