組入1位はテスラ!自動運転などテーマの新レバレッジETF

EVAVが登場、ベンチャー系企業も多い印象

B!
テスラのイーロン・マスクCEO=出典:Flickr / Ennoti (Public Domain Mark 1.0)

組み入れ銘柄の値動きの2倍の値動きをするレバレッジETFとして、「Direxion Daily Electric and Autonomous Vehicles Bull 2X Shares(EVAV)」が米国市場に登場した。EV(電気自動車)や自動運転車などの投資テーマに強気のポジションが取れる戦略的ETFだ。

■組成銘柄1位は「テスラ」、2位は「NIO」

EVAVは「Indxx US Electric and Autonomous Vehicles Index」という指数の2倍の値動きをする。組成銘柄は、EV・自動運転車のメーカー、またはEVや自動運転車に欠かせないインフラ構築や特殊なバッテリーなどを扱う企業、ソフトウェア開発企業などだ。

具体的には、米テスラや、中国の新興EVメーカーであるNIO(上海蔚来汽車)、Lucid Group、Li Auto、XPengなどが上位を占め、これまでの自動運転関連のETFに比べて、ベンチャー系の企業が多く含まれている印象だ。

ほかにもLiDAR開発の米Luminar Technologiesや電源ソリューションを提供する米ChargePoint HoldingsやEVgo 、Nikolaなどが含まれている。以下は2022年8月1日時点における組成比率だ。

組成名柄 構成比率
Tesla 8.54%
Nio 8.02%
Xpeng 7.67%
Li Auto 7.48%
Lucid Group 7.26%
ChargePoint Holdings 4.80%
Nikola 4.65%
Gentex 4.55%
Luminar Technologies 4.53%
TuSimple Holdings 4.47%

ETF運用会社であるDirexionのマネージングディレクター兼製品責任者であるDave Mazza氏は「EVと自動運転車の長期的な受け入れと普及への道は、かつてないほど明るいものとなっている」として上で「EVAVはトレーダーが、EVと自動運転車、およびそれらをサポートする基盤に強気のポジション を取ることを可能にする」と述べている。

■そもそも「レバレッジETF」って何?

まず、ETFとは「Exchange Traded Funds」の略称で上場投資信託とも呼ばれ、証券取引所に上場している投資信託だ。このうち「インデックス型」のETFは、TOPIX(東証株価指数)や日経平均株価など特定の指数に連動するように運用されている。

ETFは株式と投資信託の2つの特徴を持った金融商品ともいえ、証券取引所の立会時間中は基本的にリアルタイムに売買が可能だ。

そしてレバレッジETFは、指数の2〜3倍ほどの幅で値動きがするよう設定されている。レバレッジETFには「ブル型」と「ベア型」があり、例えばブル型2倍だと10値上がりすれば20値上がりし、ベア型2倍だと10値上がりすれば20値下がりする。ブル型は「逆側」に値が動くことが特徴だ。

レバレッジ型ETFのメリットとしては、効率よく資産を増やせる可能性があることで、短期間で高い運用効果を得られる可能性があるが、組成銘柄の株価が大きく値下がりすると資産に対するダメージも大きくなり、一般的なETFよりもハイリスク・ハイリターンであると言える。

■リスクが高くなる点には注意が必要

自動運転分野は言うまでもなく将来性がある。投資対象として大きな魅力を持っているが、レバレッジETFは前述の通り、ハイリスク・ハイリターンであるため、その点には注意が必要だ。詳しくEVAVについて知りたい人向けに、direxion社の公式ページを添えておく。

▼Daily Electric and Autonomous Vehicles Bull 2X ETF|EVAV|Direxion
https://www.direxion.com/product/daily-electric-autonomous-vehicles-bull-2x-etf

※編注:この記事は特定の株式銘柄・投資信託・ETFへの投資を推奨するものではありません。

【参考】関連記事としては「自動運転関連の投資信託・ETF一覧(2022年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



B!
関連記事