独メルセデス・ベンツが2022年内にも「自動運転レベル3」(条件付き運転自動化)の認証を米国内で得るため、規制当局に書類を提出・申請する方針であることが明らかになった。米メディアが2022年7月26日までに報じた。
■2023年半ばにもレベル3搭載車を展開?
自動運転レベル3はハンドルから手を離し、メールチェックや映画鑑賞ができるようになる水準のことを指す。メルセデス・ベンツは「Drive Pilot」というレベル3の技術をS-ClassやEQSに搭載し、アメリカ国内で展開することを目指しているという。
まずアメリカのカリフォルニア州とネバダ州でレベル3の認証を得るために書類を提出し、審査が順調に進めば、2023年半ばにも両州でレベル3搭載車の展開が実現する見込みだという。
カリフォルニア州とネバダ州それぞれで認証を受けるための書類を提出するのは、アメリカでは州ごとに自動車や運転に関するルールが存在するからだ。
【参考】例えば緊急車両が近づいてきたときの対応としてクルマを寄せなかった場合、ネバダ州では刑事罰の対象となるが、カリフォルニア州では罰金で済む。このように、州によって自動車や運転に関するルールが異なる。
ちなみにドイツでは国全体で自動車や運転に関するルールが統一して定められており、メルセデス・ベンツのDrive Pilotはすでにドイツで承認を受けている。
■テスラよりもメルセデスの方が早く?
アメリカ国内で市販車に自動運転技術を搭載しようとしている自動車メーカーと言えば、イーロン・マスク氏率いるEV(電気自動車)メーカーのテスラだ。同社は高度運転支援機能としてFSD(Full Self-Driving)を展開しているが、ADASの域に出ないと解されている。
メルセデス・ベンツがテスラより先にレベル3の認証をカリフォルニア州とネバダ州で受けることになるのだろうか。2023年はこの点が業界における関心事の一つとなりそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転レベル3とは?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)