イギリス初の自動運転バスの実証実験が、スコットランドで実施される。今夏に乗客を乗せたサービスを開始する予定で、それに先立って、2週間にわたり自動運転バスの「乗客無し」での路上走行テストを行うという。
■技術的にはレベル4が可能ではあるが・・・・・・
「CAVForth」と名付けられた今回のプロジェクトには、イギリス政府の「Centre for Connected and Autonomous Vehicles」(CCAV)とスコットランド交通局、自動運転システムなどを手掛けるFusion Processing、バスメーカーであるAlexander Dennis、運輸会社のStagecoachが共同で出資している。
実証実験はスコットランドの首都エディンバラで行われ、セーフティドライバー同乗の5台の自動運転バスが約22キロのルートを走行するという。乗客を乗せたサービスを開始すると、1週間あたり1万人以上の乗客に対応できるようになるようだ。
このバスには「CAVstar」というFusion Processingの自動運転システムが搭載されており、独自のハードウェアとソフトウェアを組み合わせることで、技術レベル的には自動運転レベル4が可能なようだ。
ただし、実証実験ではセーフティドライバーが同乗するため、実質的にはレベルは2となる。
【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?」も参照。
■「イギリス×自動運転」の取り組みが今後加速?
イギリスは自動運転の分野ではほかの国に出遅れている印象だ。世界的にはアメリカやドイツ、フランス、中国、イスラエル、日本などがこの分野での取り組みをリードしており、イギリス発の関連ニュースはあまり聞こえてこない。
ただし最近では、自動運転車の実用化に向けて道路交通規則の変更が予定されていることが報道されるなど、自動運転関連の動きが全くないわけではない。
今回の自動運転バスの実証実験、そして実用化を機に、イギリスにおける自動運転の取り組みは加速するだろうか。
▼CAVForth公式サイト
https://www.cavforth.com/news/
【参考】関連記事としては「自動運転、欧州(ヨーロッパ)法律動向(2022年最新版)」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)