JR東日本の観光型MaaSで、観光用AR(拡張現実)コンテンツの提供が始まった。ARアプリを起動したスマートフォンを対象エリアで空間上にかざすと、観光スポットや対象店舗の情報がスマホの画面を通して風景に重なるように表示される仕組みだ。
取り組みが始まったのは、JR東日本が取り組む「旅する北信農」という観光型MaaSにおいてだ。ARアプリとしては、ソニー傘下のSoVeC(ソベック)が開発した「XR CHANNEL」が活用されている。
MaaSで移動を「便利」にしながら、ARコンテンツによって移動を「楽しく」する——。MaaS×ARで「便利」と「楽しく」の2つを同時に実現する取り組みとして、注目を集めそうだ。
■提供するコンテンツは4種類
SoVecは2019年設立の企業。XR CHANNELは「Visual Positioning Service」(VPS)技術を活用し、日常空間にARを表示させるアプリだ。SoVeCとKDDIが共同開発した。
【参考】VPSはGPS(全地球測位システム)の発展系と言われており、スマートフォンに搭載されたカメラの画像と3Dマップデータなどを照合し、高精度な位置情報の特定を可能にする。
今回のJR東日本の観光型MaaSでは同アプリを通じ、観光スポットや対象店舗の情報をARで提供する。
細かく提供コンテンツを分けると4種類に分類でき、1つ目の「街なかAR案内マップ」では、対象エリアの地図やスポット情報を検索できる案内板をARで表示する。2つ目の「街なかAR看板」では、観光スポットや店舗の前にARの看板が表示される。
3つ目の「ARガイド」では、長野駅の自由経路から善光寺方面のバス停までの案内がARで表示される。最後は「ARイベント」で、駅前広場でARコンテンツによるイベントを行うという。街なかAR案内マップはすでに提供が開始されており、ほかは順次提供が始まる。
■MaaS×ARに対する利用者の反応は?
MaaSとARを組み合わせる注目の取り組みなだけに、実際の利用者からどんな反応があるのか気になるところだ。取り組みの進捗に注目していきたい。
▼観光型MaaS「旅する北信農」公式サイト
https://lp.maas-portal.com/tabisuru-kitashinano/
【参考】関連記事としては「AR技術でフロントガラスに車間距離を表示!ファーウェイ、安全度向上に貢献」も参照。