米Google系Waymo(ウェイモ)が世界で初めて自動運転タクシーの商用サービスをスタートしたのは2018年12月だった。その後、Waymoのアメリカ以外への進出の話は聞かないが、一方で米GM傘下のCruise(クルーズ)はグローバル展開が前提のようだ。
アメリカだけでなく、ドバイや日本でも自動運転タクシーを展開すべく取り組んでいる。
■ドバイでは2023年から自動運転タクシー
Cruiseは当初の計画よりは遅れたが、2022年2月に米サンフランシスコで自動運転タクシーのサービス展開をスタートさせた。しばらくは運賃はとらないが、いよいよ一般客向けのサービスが始まったわけだ。
そしてCruiseは2023年から、自動運転EV(電気自動車)「Origin(オリジン)」を使った自動運転タクシーの運行をドバイで開始する。サービス開始からしばらくは使用台数やエリアを限定するものの、2030年までに4,000台まで規模を拡大する計画だ。
ドバイでの自動運転タクシーの運行に際し、Cruiseはドバイ道路交通局と契約を結んでいる。ドバイの自動運転タクシーと配車サービス市場は2029年までCruiseが独占する。
運行開始に向けて、デジタルマップの試験運用も始まった。すでにCruiseの代表団がドバイを訪れ、インフラ状況や予測される需要なども調査している。
■日本でもホンダとの協業で展開へ
日本でもサービス展開に向けて動いている。CruiseとGM、そして日本のホンダは2021年1月、日本での自動運転移動サービスの展開に向けて協業することで合意している。
2022年には日本国内で自家用車ベースの試験車両「クルーズAV」を使用した公道実証を実施する予定だ。日本の交通環境や関連法令に合わせ、自動運転技術の開発と検証を進めていく。
サンフランシスコやドバイでのサービス展開のノウハウが、日本国内での展開に役立てられることになりそうだ。グローバル展開を前提に事業に取り組むCruiseの今後に、引き続き注目だ。
▼Cruise公式サイト
https://www.getcruise.com/
【参考】関連記事としては「Waymoから3年2カ月遅れ、GM Cruiseが自動運転タクシーの展開スタート」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)