自動運転トラックを開発する中国の「TrunkTech」(主線科技)は2022年2月21日までに、高速道路用に開発した自動運転トラックの累計輸送距離が120万キロを突破したと発表した。
同社は、中国EC大手JDドットコム(京東集団)傘下のJD Logisticsなどとともに、定期配送プロジェクトに取り組んでいる。このプロジェクトで自動運転トラックが使用されている。
TrunkTechはレベル4の自動運転システム「Trunk Master」を独自開発し、そのシステムを既存のトラックに搭載して自動運転化している。すでに量産フェーズに入っているといい、中国国内の港湾にコンテナ輸送用の自動運転トラックを100台以上納入した実績があるという。
■シリーズA、シリーズBと順調に資金調達
TrunkTechは2月16日、シリーズBラウンドにおける新たな資金調達が完了したことも発表している。中国の自動車大手BAICがこのラウンドを主導したという。TrunkTechは調達した資金を使い、トラックのデジタル化や自動運転化の研究開発をさらに推進する方針のようだ。
ちなみに同社がシリーズAラウンドで資金調達を行ったのは2019年。その際には、独自動車部品大手ボッシュのCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)「Robert Bosch Venture Capital」などがリードインベスターを務めた。
このほか2021年11月にも「越秀産業基金(Yuexiu Industry Investment Fund)」や「衆為資本(ZWC Partners)」、「渤海中盛(BHCP)」らが共同でリードインベスターを務め、数億元(数十億円)の資金調達を行なっている。
■JDドットコムが「売り先」の柱に?
北京に拠点を構えるTrunkTech。2017年に設立され、すでに実証実験の実績も豊富だ。前述の通り、EC大手JDドットコムを親会社に持つJD Logisticsと取り組みを進めており、このまま順調にプロジェクトが進めば、有力な「売り先」となりそうだ。
TrunkTechは、中国×自動運転トラックで本命のスタートアップの1社と言えそうだ。
▼Trunk Tech公式サイト
https://www.trunk.tech/
【参考】関連記事としては「自動運転トラック開発のTuSimple、米最大の貨物鉄道会社を顧客に」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)