自動運転トラックの開発を手掛ける中国系企業TuSimple(図森未来)は2022年2月8日までに、アメリカ最大級の貨物鉄道会社であるUnion Pacific(ユニオン・パシフィック)を顧客として獲得したことを発表した。
TuSimpleはユニオン・パシフィックの貨物集積所(アリゾナ州ツーソン)で荷物を受け取り、その荷物を配送センター(同州フェニックス)まで自動運転トラックで運ぶ役割を担うようだ。今年の春にも無人走行での貨物輸送を開始する予定だという。
荷物の受け渡しには、ユニオン・パシフィックの子会社Loup Logisticsも関わる。
■550マイル以上を完全自動運転で走行した実績
2015年創業のTuSimpleは、中国と米国の両方に拠点を有する。2021年4月にはティッカーシンボル「TSP」で米ナスダック市場に上場した。
TuSimpleは2021年12月、アリゾナ州のツーソンとフェニックスを結ぶ高速道路で自動運転トラックの完全無人オペレーションに成功したことを発表しているが、まさにそのルートは今後Union Pacificの荷物を運ぶルートのようだ。
TuSimpleによれば、人が乗車せず遠隔操作もしない完全自動運転で一般公道を走行した距離は、これまでで累計で550マイル(約885キロ)以上に上るといい、早朝の混雑している道路や夜間走行などでも安全な無人走行が可能な技術を確立できているという。
TuSimpleは、Union Pacificを初の顧客として獲得したことを皮切りに、物流・流通を担う企業の配送業務を自動運転トラックで続々とサポートしていきたい考えだ。
■自動運転トラックの販売事業では、既に6,900台の予約
ちなみにTuSimpleに関しては、自動運転トラックを使った配送のサポートだけではなく、自動運転トラックの販売事業も並行して進めている。
すでに物流大手の米DHLなどから合計で6,900台の自動運転トラックの予約を受けており、現在、大手トラックメーカーのナビスターとともに車両の製造を進めている最中だという。
自動運転トラックを開発する企業として、今後も同社の存在感は高まっていきそうだ。
▼TuSimple公式サイト
https://www.tusimple.com/
【参考】関連記事としては「中国系TuSimple、公道で自動運転トラックの「完全無人」運用に成功」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)